「介護へ転属」で人を辞めさせる愚

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この記事の言いたいことすごくわかります。
保険大手の損保ジャパンで4000人の人員を削減するために取った手が介護事業への転属なのですが、これが何となくしょうがないこととして受け入れられていることはなぜなのかという話です。
ようするに、国民すべてが介護事業を下に見ているという意識があり、ブラックとか大変だとか意識があるだけでなく、そもそも過程で行われていたことを高齢化社会に合わせて事業化しただけの話であり、誰でも出来る仕事なのだという認識があることが、こうした横暴を生んでいるという話なんですね。

企業は、生産性のない人間を介護事業に送れば辞めるだろう。辞めなくても、人手不足の足しになるからいいだろうと考えている訳で、大手企業に勤めているような社員も社員で、介護なんて自分がする仕事ではない、なぜ自分がそんな誰でもできるようなことをしなきゃいけないんだと憤っているのです。

確かに、そうなんですよね。問題は、介護にもそうだし、家事とかにも言えることなのですが、企業だけでなく国民のほとんど(主に男性)の意識がね、これらの仕事に対する評価が低すぎるんですよね。
わたしは共稼ぎで、家事や子育てもそれなりにやっていますが、家事も子育ても大変ですよ。むしろ普通に会社に行って仕事をしている方が楽だと思う時すらあるくらいです。ましてやこれが介護となると、もっと大変だと思います。

それに、家事も子育ても介護も、誰でもが簡単に出来る仕事ではありません。これを簡単だという人がいるのなら、それはその人がその手のことをほとんど何もやらずに来ている証拠でしょう。
会社に行ってバリバリ働くことだけが価値がある訳ではありません。
むしろ会社に行ってお金を稼ぐことは生活をするための手段に過ぎず、生活をどのようにしていくかのほうが意識としては高く持つべきで、ここを評価しないからこそ、世の中が歪なパワーバランスに囚われて、ジェンダーの問題などが起こってくるのではないでしょうか?

確かに、社員を異動させる権利は会社にあります。でも、明らかに辞めさせるためだったりする意図がそこにあるのならそれは言語道断な話ですし、そうしたことを平気でする会社はやはり信用は出来ませんよね。

介護職についたイメージを変えていくのは大変です。そもそも、そこには社会的バイアスをある程度もった老人を扱わなければならないという点で、現場そのものに多くの矛盾を抱え込む話ですからね、なかなかその仕事を肯定的に捉えることも人によっては難しいのかもしれません。しかも人手不足によって、キツそうな仕事ほど、他の仕事で就職できなかったら介護に来たという人が多いのも確かでしょう。

イメージを変えていった職業のモデルとして、看護師があります。看護師も昔はただ低賃金でキツい仕事というイメージがありましたが、やはりなり手不足から、政府がテコ入れをして賃金が上昇し、今や専門職というイメージがついています。
介護職もこれを目指せればいいのですが、まずはやはり高齢化社会を見据えて、政府がテコ入れをし、とにかく賃金を上げていく必要がありますね。