祖国防衛は「国民の義務」でなく、「自由意思によるもの」であるべきに賛成

橋下徹氏がウクライナの成人男性出国禁止に言及「日本の政治家がこれを言い出したら止めなければ」

ウクライナのゼレンスキー大統領が一部の国民が求めている成人男性の出国禁止の見直しに対して、「祖国防衛は国民の義務」としてピシャリと反対したというニュースが元ですね。
朝日新聞がこれに対して疑問を投げかけ、それに橋下さんが追従した形です。

これに関しては、わたしも朝日や橋下さんと同意見です。
ウクライナが苦しいのは分かりますが、ただ戦うことを義務化してしまうというのは、それは自由を担保とする民主主義と矛盾してしまいます。
またこれが当たり前の話として、政治家が強制できるという話になってくると、間違いになく軍事国家への傾向が強っていきます。

ていうか、太平洋戦争の時に日本は嫌というほど経験していますよね。
戦争に対して少しでも反対を唱えると、「非国民」と罵られて、袋叩きになるあれです。
そうなってくると、本音では戦争なんて嫌なのに、口に出せなくなっていき、威勢のいいことばかり言う声の大きい人たちがのさばっていくのです。
こうなったら、民主主義は間違いなく機能しなくなりますし、戦争に関することが何でもかんでも正当化されていき、それを悪用してのさばる人間すら出てくるのです。

ウクライナの問題と、それとは違うと反論する人もいるでしょう。
でも、根本的には底の部分は同じなんですよね。
もちろん、ロシアが酷いことに変わりなく、ウクライナには頑張ってもらいたいのですが……。

ただウクライナが独裁主義のロシアに対して、民主主義を守るために戦っているというのなら、この成人男性の出国禁止という措置は、結果的に悪手になる可能性があると思います。
ウクライナに民主主義という大儀がなくなってしまえば、欧米がどこまで手を貸すのか不透明になってきますからね。

ロシアに腹が立つことはわかります。
でも、だからといって、ロシアと同じように国が国民に対して強権をふりかざしてしまうと、何が正義であるのかわからなくなってしまうんですよね。
そうなってくると、ロシアに付け入るスキを与えることになってしまいます。

なので、この成人男性出国禁止問題に関してだけはね、もう少し柔軟な姿勢をゼレンスキー大統領もとった方がいいとは思うのですが。