プロ野球のシーズンも終わり、あとはポストシーズンを残すのみとなりました。
そして、この時期に始まるのが戦力外通告。
しょうがないとはいえ、寂しい季節でもあります。
そして、先日ですが西武ライオンズの相内誠選手の戦力外が発表されました。
度重なる素行不良の問題から、オフの戦力外が有力視されていましたが、現実となってしまいましたね。
色々と批判も多いんですけれど、実は個人的には応援していたんですよ。相内選手。
施設で育ったという経緯を知ったからにほからないのですが、だからこそ活躍して同じような境遇にいる子たちに希望の星になってほしかった。
いや、正直野球で目覚ましい活躍を見せてくれなくても良かったんですよ。一人の人間として立派に成長した、カッコイイ姿を見ることが出来ればと思っていたんです。
「こんにちは。8年間ライオンズでお世話なりました。力になれなかったことは残念ですが、自分なりに頑張ったつもりです。色々と騒がせたりもしましたが、野球に対しては真剣に取り組んできました。しかし、それではダメでした。一流は野球以外もしっかりしていると思うし僕みたいなタイプは厳しいんだなと実感しました。野球は好きですが、プロ野球選手ではなかったです。猫を被るのも正直しんどいし、プロ野球という場所が窮屈に感じていたのも事実です。これからは自分を全開に出し、伸び伸びと、そして何より楽しく、仕事をして行こうと思ってます。こんな僕でも応援してくれた方々が沢山いました。本当に申し訳ない気持ちはあるのですが、また別世界での挑戦を暖かく見守って頂けたらと思います。それと、ライオンズには若い力があります。まだまだこれから必ず出てくる若手もいます。凄く楽しみです。陰ながらではありますが応援しています」
これは、相内選手のインスタで語られたコメントの全文なんですが、多分プロ野球選手として期待されていたが故に、どうしても選手としての成長ばかりを求められ、野球以外のところでの人としての成長をしっかりと見てはもらえなかったのかなとは思います。
もちろん、社会は学校ではありません。ましてや彼がいたのは自分の身一つで切り開いていかなくちゃいけないプロ野球の世界です。
甘いと言われれば、それまでですが、西武の彼の境遇を分かった上でドラフト上位で獲得したのだから、もう少し彼に自分と向き合うような教育が出来なかったのかなと思います。不祥事があった=すぐに謹慎。だけじゃなく、あまりに複雑な境遇に育った彼に、寄り添うような教育の仕方はなかったのかなって。もちろん、そうやって彼に接したスタッフや先輩はいたかもしれません。でも、こういう結果になってしまった以上、彼を変える言葉が少なかったということでしょうしね。何だか、このまま彼を一般社会に戻してしまってはいけないような気がするんですよね。
確かに彼はやんちゃな部分があるかもしれません。でも、不幸な境遇から頑張って努力してプロ野球選手にまでなったんです。少なくとも頑張ることは知っているはずだし、これまでも自分なりには頑張ってきたのだから、本気で悪い人ではないと思うんです。
野球選手としてじゃなとも、一人の人間として、何か別の機会というかチャンスを与えてほしかったな、というのがわたしの本音です。
そうじゃないと、ただ挫折だけを与えたような形になっていて、あまりに後味が悪いですよね。
もちろん高額な契約金を与えた上に、8年も面倒を見てきた西武ライオンズからしたら、もう充分にやったと言えるのかもしれませんが、みんなが憧れるプロ野球選手だったからこそ、野球以外にも彼にも出来ることがあるんだというのを最後に彼に教えてあげて欲しいです。
今後どのステージに彼が進むのかはまだわかりません。
噂されている格闘技の世界かもしれないし、普通の仕事かもしれません。
でも、どんな世界で次に戦うにしろ、わたしは相内誠を応援し続けたいです。
そして、いつかまた姿を見せてくれて、そのときにいい大人になっていてくれたらと思います。