タワマン上層階の子は本当に成績が低迷するのか?

タワマン上層階の子「成績は低迷」の理由

なかなか興味深い記事でした。
さまざまな子の家庭教師をしている人の話なのですが、タワーマンション上層階の子が決まって成績が低迷しやすいという話です。

理由は、
①窓の開け閉めが出来ないことで、空調がエアコン頼りになっており、人工的な室温が体にダメージを与えて集中力が欠きやすい。
②タワマン上層階に住んでいる子のほとんどは大抵外に出ることを億劫に考えており、基本的にあまり外に出ない子がほとんど。結果的に、その世界を知らないことで、好奇心や想像力を養われにくくなる。

①については、医学的な検証が必要になる話かもしれません。ただ不動産業界からの横やりが入りそうですが。
②については、確かに言いたいことはわかります。まあ、タワマン住んでいるかどうかに限らず、子どものうちから外に出ずにうちにこもっているというのは精神衛生上よくないとは思います。何も外で駆けまわれと言っているのではなく、図書館に行くでもいい、虫を探すのでもいい、とにかく自分で能動的に動いて、友達など家族以外の人間と接するという経験の蓄積が大事なんですよね。しかもそれは、勉強だけでなく、人格形成にも大きく影響を及ぼすように思えます。

わたしはタワマンに住んでいるわけではありませんが、小さな子どもはいるので、他の子どもを含めて彼らを見ていると何となく感じるところはあります。最近子どもたちが公園に行っても何をして遊べばいいのかわからないといって、大人に泣きつくケースが多いですよね。年齢的な問題もあるとは思いますが、誰かに用意されないと遊び方も分からないというのは少々不安になります。そりゃ、家でゲームをやっていた方がわかりやすいし、楽なのかもしれませんが……やはり人としての経験値はいかに自分で頭と体を使って動けたかによるのかなって。

確かにタワマンに住んでいると、なかなか地上に降りていくこと自体が面倒でしょうからね。学校など目的が明確にあること自体は外には行きたくないという感じなるでしょう。コロナによって、その感覚に拍車がかかったかもしれません。
ただタワマンだからダメというわけではなく、これは本人や親がどう意識するかによって変わってくるものだとは思います。どうしても、勉強の成績など目に見えるものに視線が行きがちで、目に見えない影響というのはなおざりにされやすいのですが、そこをいかに意識できるのか。
結局、問題集とゲーム機を与えただけでは、子どもはちゃんとは育たないんですよね。
いかに人に触れて、いかに自分で考えて物事を打開する、もしくは興味を持って色々なことを知りたいという知識欲を持つ。これが大事なんだと思います。
勉強だけして、とにかくいい大学や企業に入っても、社会に対する好奇心や自分で主体的に考えられる力なければ、人生はつまらないし、なかなかうまくはいかなくなってしまいますからね。

タワマンに住む人やタワマンを売ることを商売にしている人にとっては、こういう個人見解的な記事って腹立たしく、受け入れられないかもしれないんですけれども、こういうことをキチンと考えて検証していくってとても大事ですよね。

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