若者が電話嫌いになった理由をあれこれと探っている記事でした。
ていうか、わたし中年の部類に入りますが、とかく「仕事」に関する感覚はここでいう若者に近いんだなと思いました。
定時で仕事が終わったときに、上司や先輩に「何かやることありますか」と何て訊きませんし、別に客に対して必要以上に笑ったりもしません。
そもそも電話もハッキリ言って嫌いですしね。
でもまあ、何とかやっています。上司に嫌われることもありますけれど、何とかやっています。
ただ自分も若い子に色々と教える機会があって考えることもあるんですけれど、上の世代の人は若い子に対してあれこれと言う前に、そもそもちゃんと若い子に対して教えてないような気がします。ていうか、日本の会社は全体的に教育ということに関して、あまり熱心じゃないんですよね。
とりあえず前線に放り出して、あとは経験を身に着けてどうにかしろっていう感じの人が多いです。
それで、出来なきゃ何でできないんだって、不条理に怒る人もたくさんいる。挙句の果てには今どきの若い奴は使えないって。。。
確かにボワッとしている若い子や、敬語の使い方わかっていない若い子はたくさんいます。でもそれは今に限った話じゃなくて、どの世代にもそういう人はいたはずですし、ていうか、年をとってもボワッとしている人なんてたくさんいますよね。
それなのに、若い子だけがおかしいっていう発想に落ち着いてること自体が、わたしには教育を怠る上の世代のの言い訳に聞こえるんです。
たとえば、先ほどの昔あったという上司や先輩に「何かやることありますか」と帰り際に言わなきゃいけないというルールの話。
そもそも、マネジメントをするのは部下の若い子ではなく、上司のはずです。だって、そのために管理職として手当てを貰っているわけですからね。
それならば、若い子に気を遣わせて「何かやることありますか」と訊かなきゃいけないルールを空気で作っていることがパワハラ染みていると思います。
だって、仮に上司が部下の仕事の責任者であるのなら、残業があるときは上司が指示をするべきですし、逆に無駄な残響をしていると思ったら、上司が部下を帰すべきなのです。上司が帰らないと、部下が帰れないというルール自体がまったく意味が不明で具合理極まりない話なんですよ。そんなんだから、長時間労働がいつまでたっても減らないんです。
同じような感覚で捉えると、若者が電話が嫌いだっていう話だって、すぐに理由が分かります。
記事ではSNSなどが発達した時代の流れ的な感じで書かれています。確かにそういう部分はあるかもしれませんが、本質的には違うと思います。実際には単に電話の相手が自分の上司だったり、年上の取引先の人だったりした場合、一方的に上から目線で押し付けるような言い方をさせる、それが嫌なだけですよ。
ようするに、彼らの方がよっぽど正直なんですよね。
「そんなんじゃ仕事にならないだろ!」
そう思う人はいっぱいいるでしょう。でもね、そもそも仕事って、上下関係の中でマウントを取り合うことじゃないはずです。協力し合って、利益を出す。会社として社会貢献をする。それが目的なんです。
普通に考えてみてください。普段からちゃんと若手の話を聞いていたり、同じ仲間としてコミュニケーションを取ったりすれば、若者だってちゃんと電話に出るだろうし、時には一緒に飲みにも言うでしょう。
でも、お前はどうせ若いんだから、オレの言うことを訊くのが当然。みたいな感覚で話せば、そんなの誰だって嫌ですよ。
若者だって、人を選んでる。ただそれだけの話なんですよね。
もしも若い人の扱いに困っている人がいたら、自分のやり方に若い人を合わせようとするのではなく、まず彼らがどうすればやりやすいのか訊いてみてはいかかでしょうか?
もちろん勝手なことを言う子はたくさんいるだろうし、「わかっていない」ことを言う子もたくさんいるでしょう。
でもそれでいいんです。まずは自分で何を考えているのかを話させて、そのうえでこちらも話をする。そして、こちらの話を一方的に押しつけるのではなく、色々と互いに意見をぶつけ合って納得し合うことが大事なんですよね。
ときには若手に任せてみて、失敗させてもいいんです。それで、若手が育つのならそれ以上儲けた話はないでしょう。
まずは寛容さを持つこと。そして、自分の経験の物差しでばかりで人を測るのではなく、たまには自分から近づいてみること。そうすると、若い子からもたくさん学べることが出てくると思います。