「病気になりやすい職場」「なりにくい職場」の差上司の質で「心臓病になるリスク」まで変化する
とても興味深い記事でした。
当たり前といえば当たり前ですが、人は要求度が高く、コントロール度が低い職場でストレスを感じやすく、逆に要求度が低く、コントロール度が高い職場では充実した毎日を送ることが出来る。
そして職場の環境が前者に近ければ近いほど病気になりやすいという話です。
大量生産の大量消費の時代であれば、どうしてもこうした病気になりやすい職場が増えてきますよね。
しかも統計とは違って目に見える因果関係がどうしても分かりにくいために、企業は効率性を盾にこうした職場環境をなかなか改善しようとはしません。
まあ、経営側からすれば、トップダウンのやり方の方が面倒が少なくコストもかからないのが目に見えてますからね。なかなか変えようという気にはならないんですよね。
そして従業員だけがストレスフルで病気になる。
でも長い目でよく考えれば、こうした状況は企業にとってもよくない話にはなると思うんです。
だってそれは育てた人材が病気や離職で早々にいなくなることを意味しますからね。結果よけいに効率性が悪くなるという話になります。
では、じゃあどうすればいいんだという話になりますが、簡単に言えば評価のポイントを目に見えるものだけじゃなく、まずは目に見えないものにも広げていくことが大事なんじゃないでしょうか。
たとえば多くの店舗を持つ企業がそれぞれの店舗に求めることは原価率の低さです。つまり人件費や設備投資、商品投資などを出来る限り抑えた上で、商品を高くたくさん売れば、企業はたくさんの利益を得ることが出来ます。なので多くの企業が利益を出すためにとにかく原価率を下げろと店舗にひたすら要求します。
しかし、いくら発破をかけたところでそれには限界があり、限界点を超えてしまうと、自然と従業員は辞めていき、サービスは低下して、結局物は売れなくなって原価率は再び上昇していきます。
しかも今度は悪評もついて回るようになるので、また原価率を下げるとなると余計に苦労がかかるでしょう。
原価率という数字しか見ないと簡単にこのような負の連鎖が始まってしまい、抜け出すことが大変になってしまうんですよね。
そうしないためには、目に見えないものを見ようとし、それをきちんと評価出来ることが重要になってくると思います。具体的にはキチンと人を育てているかとか、働いている人たちみんなが充実して働けるように気を配っているかとか。
結局こうした人を大事にする行動こそがその場の環境をよくしていき、環境が良くなると自然と商売もうまく回っていくと思うんです。つまりは環境が商売の持続可能性を広げていくと思うんですよね。
でも数字にだけ囚われてみてしまうとその事実が見えてこない。
もしもあなたが経営者であったり、本社で店舗や支店を統括する立場であるのなら、数字以外の部分をもっと見るべきだと思います。そして、数字以外のいい部分ももっと評価するべきです。
そのうえで、数字が悪いのなら、どうすればよくなるのかを、店舗に投げつけるのでもなく、一方的に解決策をトップダウンで押しつけるのでもなく、現場で働く人たちとよく話し合い、一緒に解決策を探っていくことが大事なのだと思います。
結果的にトップダウンで命令することとあまり変わらない解決策に至ったとしても、それでいいんです。
現場だけでなく、会社とよく話し合ったうえで決めたというプロセスが大事なんです。
これによって、現場にコントロール感が生まれるし、会社側も数字以外のことを現場からフィードバック出来ますからね。
むしろ現場とそういう相互関係を築けず、一方的に弱い立場の人たちに責任を押し付けているだけではマネジメントをしているとは言えないんですよね。
会社がやれということをそのまま伝えてやらせるだけなら、誰でも出来るんです。
現場の人に達成感や充実感をいかにもって働いてもらうか。それを現場といかに共有出来るかが大事なんですよね。