バイデン大統領がようやく誕生いたしました。
厳戒態勢の就任式ではまず社会の分断を収めるべく結束を訴えかけていましたが、これはまさにその通りであり、新政権がまず喫緊にやらなければいけないことだと思います。
確かに新型コロナウイルスへの対策や対応する中国に対する対応など問題ややらなければならないことは山積みですが、とにもかくにもアメリカの場合は、社会分断をどう収めるかであり、それを前提にほかの様々な政策も決めていくくらいの態度が必要なのだと思います。
バイデン新大統領はまた演説で、自分を支持しなかった人たちのためにも全身全霊を尽くすと言っております。
この言葉を全世界に向けて発した意味は大きく、どうか言葉だけで終わらせず、その言葉の通りに行動をして社会の安定と民主主義を取り戻してもらいたいです。
勿論それがとんでもなく厳しい道のりだとはわかっています。
通常極端な政策を進めた政権の後は、反対派からはの恨み辛みの感情が残るので、政権交代が行われた後はその反動がわき起こり、前政権がやってきたことのすべて覆すという傾向がどこの国でもあります。
実際今のアメリカ民主党内ではリベラル派が勢いを増しており、自分たちがイニシアチブを握ろうと息を巻いています。
それぞれの意見があることは大事だと思いますが、もし仮にバイデン政権がリベラル派の思い通りに動いてしまい、トランプ派を力づくで黙らせようとすれば、アメリカの社会分断は収まるどころか泥沼にはまってしまうでしょう。
そしてバイデン新大統領の政策が失敗に終われば、次の選挙の時に第二、第三のトランプが現れてより過激なことをやりかねません。
ポイントは民主党中道派のバイデン新大統領がいかに民主党リベラル派を抑え込みつつ、トランプ派がなぜ生まれたのか、彼らが何を求めているのかをよく聞き、それに対して納得出来る答えを示せるかどうかです。
かつてアパルトヘイトが終わった後に南アフリカで大統領になったネルソン・マンデラ氏は、白人に復讐をするのではなく、白人と融和する政策を取りました。
自分の主張を言うことも大事ですが、民主主義の根本は多様性です。たくさんの意見を聞き、それをバランスよく反映させるのが政治の本来のあるべき姿だと思います。
バイデン新大統領には、なぜトランプ派は生まれたのか、そこの部分をよく考えてほしいです。そして、その根本的な原因が行き過ぎた経済格差であるということをまず念頭に置いて行動を起こしてほしいです。
民主党のリベラルがこのままグローバリゼーションを押し通して、さらなる経済格差が進んでしまえば、社会分断は間違いなくより深刻になるでしょう。
富裕層の動向や株価の行く末にとらわれず、いかに経済格差を少しでも縮める政策をして、怒れるトランプ派の気持ちを宥めることが出来るのか。
間違えても、トランプ大統領をはじめ、多くの指導者たちがやってきた、外国を敵視することですべてを誤魔化すという常套手段は使ってほしくないです。
本来の民主主義の姿を取り戻し、行き過ぎた格差を是正する。
そして、そのうえで台頭する中国に対して、ルールを守るようにしっかりと向き合う。
道のりは本当に厳しいですが、切に期待したいですね。