スーパーから品物が消えたイギリスの自業自得感

イギリスまさかの「ガソリン不足で行列」のなぜコロナの出口でブレグジットの亡霊に襲われた

今イギリスではスーパーの品物がしない品薄となり、ガソリンを得るために長蛇の列を並ぶ羽目になっているそうです。
コロナのせいではありません。
ブレグジットの影響です。
EUから離脱してしまったために、エッセンシャルワーカーを担っていた東欧などから来た外国人が働けなくなってしまい、長距離ドライバーが不足して物流網が麻痺して、この結果になったそうです。
そもそもブレグジッドの賛成派は、排外的な感情から外国人の締め出しを叫んでいました。
治安を悪くする外国人は来るな。
役に立つ外国人だけくればいい。
エッセンシャルワーカーの多くを外国人に頼っているにも関わらず、随分と身勝手な言い分です。

ブレグジット後、コロナ禍になってその影響がいかほどのものかは棚上げになっていましたが、ここにきてだんだんと明らかになってきたようですね。
何ていうんでしょう。
正直、ちっとも可哀想だとは思えず、どうしても自業自得に思えてしまう自分がいます。
もちろん、ブレグジッドの是非は外国人の問題だけではないにせよ、やはりこの問題に焦点を当てて考えてみると、外国人に怒りの感情をぶつけることの不毛さを感じさせます。

でも、よくよく考えるとこの問題、決して対岸の話ではなく、日本もいずれはこうなるかもしれないんですよね。
ここ十数年で、コンビニの店員の多くが外国人になっています。
第一次産業でも、もはや外国人がいなくては成り立たないところが多いでしょう。
つまりブレグジットがなくても、単純に少子高齢化によって、エッセンシャルワーカーの不足を外国人に依存しなければ、日本の経済全体が回らなくなっているのです。
それなのに、コロナをキッカケに、外国人はもう入れなくていいと呑気なことを言う人がいる。
おそらくこういう人に限って、イギリスと同じようにエッセンシャルワーカーが不足してスーパーの品物がなくなれば、自分の発言などは忘れて、他の誰かに怒りをぶつけるのでしょうね。

ちなみにイギリスのジョンソン大統領は現状の対応策として、短期的なビザを発行して、長距離トラックの運転手を雇おうと考えているようです。
そもそも外国人の追い出しを公約に掲げて選挙に勝ってしまったためにこうした中途半端な対応策しか出せないのですが、何だかもう、バカにしているを通り越して、傲慢極まりない話ですよね。
自分たちが困っているから、短期ビザでなら入れてやる。その代わり、永住などもってのほかだし、こちらの混乱が収まれば、どうぞ帰って下さい、っていう話ですからね。
そしてこの傲慢さは、実習生制度を使って外国人を搾取している日本も同じです。

今後、少子高齢化は、世界中の問題になることは必至です。
おそらく途上国でも開発が進めば、出生率が低下して人手不足になることは目に見えており、そうすればわざわざ第三国から出稼ぎに来る人も減るでしょう。
ナショナリズムによって煽られた目先の感情論に囚われず、外国人にエッセンシャルワーカーとして国を助けてほしいなら、そうした人たちにもそれなりに権利や福利厚生を与える。
そうやって、人に優しい道を国そのものが取らないと、その国は間違いなく衰退していきます。
もういい加減、外国人がいなければ日本が成り立たないという現実を認めるべきです。
その前提で、外国人を排他的に扱うのではなく、外国人とうまくやっていくためにはどうすればいいのかを考える。
そうやって受け入れ態勢をちゃんと整えれば、治安だって悪くなりませんよ。
そもそも治安を悪くさせるのは、外国人ではなく、行き過ぎた経済格差ですからね。
そこのところは決して間違えてはいけません。