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弦巻 星之介

「消失の惑星」 著 ジュリア・フィリップス

「消失の惑星」 著 ジュリア・フィリップス これは傑作でした。 社会テーマ性や文学性が高いだけじゃなく、いわゆる読ませる本でしたからね、ほとんど非の打ちどころがない作品です。 まずこの作品について触れなければいけないのは、舞台がロシアのカムチャッカ半島というところ。 名前は聞いたことがあるけれど、どういうところなのか全く想像がつかない場所ですよね、一般的に。 個人的にも、昔国語の教科書に谷川俊太郎 […]

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」 2022/日本 ファーストガンダムのキャラデザインを手がけ、しかも「THE ORIGIN」の原作者である安彦良和さんが原作だけでなく、監督までするというので、もうそれだけでガンダムファンにとっては必見の映画ですね。 話の元ネタは、アニメ、ファーストガンダムの第15話で描かれたものです。作画が崩壊してしまっているということで有名な話ですが、内容そのものは話 […]

防衛費増額に使うお金があるのなら、大学無償化や少子化対策を!

安倍氏、防衛費増額へ政府に注文 「骨太にきっちり書くべきだ」 政府の骨太方針について、元首相の安倍晋三衆議院議員が横槍を入れていますけれど、意見を言うこと自体は問題ありませんが、権力を持つ人の意向で、国の在り方を変えるよう暗に求めてはいけませんよ。 問題になっているのは防衛費です。 現在のGDP比で1%ちょっとから2%まで引き上げることを党の方針として明記するべきだと安倍さんは言っているんですが、 […]

SGDs達成度ランキング 日本が最低評価を受けた目標から日本の現状を考える

SDGs達成度、日本は19位 3年連続で「後退」 SDGsの達成度ランキングで、日本は昨年の18位から19位に順位を下げたそうです。 163ヵ国中の19位であり、また上位18位までが欧州勢が占めたことを考えると、一見いいように思えますが、ただ国の規模から考えると、この数字はやはり寂しいように思われます。 ポイントは、日本の場合、満遍なくどれもそこそこ達成しているというのではなく、とても良く達成して […]

「いつも美空」 著 あだち充

「いつも美空」  著 あだち充 「タッチ」や「H2」といった作品でよく知られているあだち充さんの作品ですね。 あだちさんの作品は叙情とシリアスとコミカルさがうまい具合に混じり合った作品が多いのですが、本作はコミカルさにかなり重点が置かれた作品です。 特徴的なのが、話を読み進めても、この物語がスポーツものなのか、超能力ものなのがその主題がさっぱり見えてこないこと。 一応、ことあるごとにこの物語は日本 […]

「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたか」 著 鈴木 忠平

「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたか」 著 鈴木 忠平 現役時代に三冠王を3度も獲得した落合博満さんの監督時代の話ですね。 作者は当時の中日ドラゴンズの番記者なのですが、落合監督本人だけでなく、選手や球団関係者などから多くの証言を拾っていき、結局落合博満とは何者であったのかということを一冊の本を通じて浮き上がらせていきます。 監督時代の落合さんの一般的な印象といえば、勝つため妥協をせず、投 […]

すき家のワンオペだけじゃない。効率化という名の過度な人件費削りに疑問

「妻は厨房で倒れ、3時間放置されて死んだ」牛丼チェーン「すき家」パート女性が”早朝ワンオペ勤務中”に突然死していた!《再び起きた”ワンオペ”の悲劇》 すき家のワンオペ、まだやっていたんですね……。 ここのワンオペが社会問題にまで発展したのは、2014年、今から8年前ですか。 さすがに世の中から叩かれまくっていたので、すき家を運営するゼンショーは、是正を余儀なくされて、人手不 […]

「火星の人」 著 アンディー・ウィアー

「火星の人」  著 アンディー・ウィアー 端的に言うと、火星に行った宇宙飛行士の一人が火星に取り残されてしまって、どうやって生き抜くかと言う話ですね。 文庫版の解説にもありますが、多くの人は奇しくもどちらもトム・ハンクスの主演作である「キャスト・アウェイ」と「アポロ13」を足して2で割ったような印象を受けたと思います。 典型的なサバイバルものですが、ポイントはこれがどこかの島などではなく、火星であ […]

「H2」 著 あだち充

あだち充作品の中で「タッチ」に次ぐ知名度の高い作品ですね。 野球にラブコメを混ぜたところは、あだちさん得意のカタチですが、大きく違うのは「タッチ」が三角関係を描いたのに対し、本作はそれをさらに進める形で四角関係を描いているというところです。 三角関係はアンバランスなので、ドラマにしやすいのですが、四角関係で二つのカップルがほとんど出来ている状態だとなかなかドラマとして仕上げるのは難しいんですよね。 […]

常任理事国入り目指すよりも、日本にこそやってもらいたいと思うこと。

日米会談で、日本の国連「常任理事国」入りをアメリカが希望するという話が出たとたんに、今回の日米会談での評価が一気に高まっていますね。ネットでもとても盛り上がっています。まあ、日本人としては、そりゃ日本が世界のリーダーの一角に加わるのは誇らしく感じるでしょう。それがどの国民をもが潜在的に持つナショナリズムというやつですからね。ただどうなんでしょう。みんな誇らしく思うのはいいのですが、安保理の常任理事 […]