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厳選漫画批評

「デイ・アフター・トゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―」

ファーストガンダムでガンキャノンに乗っていたカイ・シデンに焦点を当てた話ですね。 一年戦争後にジャーナリストとして活躍をしているカイを描いています。 時期としては、ちょうど「Ζガンダム」の頃の話で、「Zガンダム」のスピンオフ作品となっております。 地味にコアなガンダムファンには人気があった作品で、マニアには「Zガンダム」の隙間がこれでもかというほど細かく巧みに描かれている話ですね。 圧巻なのは、ガ […]

「機動戦士ガンダムUC虹にのれなかった男」

「逆襲のシャア」と「ユニコーン」を繋ぐブライト・ノアを主人公にした漫画ですね。 ブライトさんが語り手だけに戦闘シーンはほとんどなく、あくまで、非公式に査問にかけられているブライトさんの回想という形で話が進みます。 興味深いのが読んでいく中で、改めて脇役であるはずのブライトさんの役割がガンダムシリーズにおいて重要だったということがわかってくるという点です。 ガンダムシリーズのメインテーマは、あくまで […]

「劇画オバQ」

正直こんなものを藤子不二雄先生が描いていたんだなっていう印象の本です。 舞台はオバQことQ太郎が人間界にいたとき、つまり漫画やアニメでQ太郎が描かれていたときから15年後の話です。 オバケ学校をどうにか卒業したQ太郎がまたみんなと暮らしたくて帰ってくるのですが、街並みはすっかりと変わり、以前に居候をしていた家もなくなっています。 しかも正ちゃんとは再会出来たものの、正ちゃんはすでに大人になり、結婚 […]

「黄色い本 ジャック・チボーという名の友人」

手塚治虫文化賞を受賞した高野文子さんの作品ですね。 一言で言えば、難解でいて、単純な話と言ったところでしょうか。捉えどころのない言葉ですが、正直、それほど長い作品でもないにも関わらず捉えどころのない作品であり、捉えどころのない作品だからこそ、妙に人の心に残る作品なのだと思います。 内容はロジェ・マルタン・デュ・ガールがノーベル文学賞を受賞した「チボー家の人々」を田舎の高校生の女の子を読んでいるとい […]

「ひとりぼっちの宇宙戦争」

「ドラえもん」や「パーマン」で知られる藤子F不二雄さんの短編ですね。 藤子F不二雄さんの短編では、様々な短編集の表題になることが最も多いので、一番知られた作品ではないでしょうか。 まずアイデアが光る作品であると思います。 そもそも題名からして、とても魅力的です。 「ひとりぼっち」というイメージを狭める言葉と「宇宙戦争」というイメージを広げる言葉という相反する二つの言葉を並べることで、これから作品を […]

「ミノタウルスの皿」

「ミノタウルスの皿」 藤子不二雄 「ドラえもん」や「パーマン」で知られる巨匠藤子F不二雄の作家人生でターニングポウントとなった言われる短編ですね。 当時連載終了が続き落ち込んでいた藤子F不二雄に、大人向けの漫画誌「ビックコミック」から依頼が来るんですよね。 一度はずっと子供向けの作品を書いてきたからという理由で藤子F不二雄は断るのですが、編集長の熱意ある説得を受けて応じたのがこの作品です。 ネタバ […]

「機動戦士ガンダム THE ORIGN MSD ククルス・ドアンの島」

「機動戦士ガンダム THE ORIGN MSD ククルス・ドアンの島」 漫画 おおのじゅんじ メカニカルデザイン カトキハジメ キャラクターデザイン ことぶきつかさ 原作 矢立肇・富野由悠季 漫画原作 安彦良和 元々「ククルス・ドアンの島」はファーストガンダムのアニメの一話で放映されたものですね。 アムロが南海の島に不時着し、戦災孤児たちを連れて戦争から逃げていく脱走ジオン兵「ククルス・ドアン」と […]

「紙の砦」

「紙の砦」 手塚治虫 学生の頃に衝撃を受け、のちの手塚治虫のほかの作品を貪るように読むようになったキッカケの作品です。 太平洋戦争末期に中学生だった手塚治虫の自伝的な作品ですが、子どもという弱者の視線から戦争を見つめることで、戦争とは何なのかを如実に示している作品ですね。 短い短編ですので、ネタバレにはなりますがざっと粗筋を紹介します。 物語は戦争末期。とにかく漫画が好きで、将来漫画家になりたいと […]

「機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーが落ちた地で」

「機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーが落ちた地で」 漫画 才谷ウメタロウ 原作 矢立肇・富野由悠希 元々1999年にドリームキャストというゲーム機のソフトとして出てきた「機動戦士ガンダム」の外伝ですね。 このときのCMを覚えていますが、タイトルがものすごい印象的で、しかもゲームで操るのがガンダムではなくジムという点でものすごく気になっていました。 そして元々ゲームシナリオから発した […]