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厳選漫画批評

「プラテネス」著 幸村誠

「プラテネス」 著 幸村誠 デブリ(宇宙ゴミ)を回収する宇宙飛行士の話ですね。 近未来において宇宙に進出する人間の心理をうまく描いていますね。 秀逸なのは、デブリ回収という地味な職業に光を当てることで、世界の矛盾はおろか、宇宙という環境に身を置く人間の哲学的な変化を見事に表現しているという点です。 宇宙を舞台にした話なので、SF的な様相が強いような印象を受けますが、実際話の大半は哲学的な問答である […]

「交響詩篇エウレカセブン」著 片桐人生・近藤一馬/BONES

メディアミックスの成功例としてよく語られる作品ですね。 アニメの評価が高いことはよく知られていますが、個人的にはそれに負けず劣らずこの漫画版も好きです。 特にエンディングの終わり方は、ちょっと切ない漫画版の方が好きですね。 この作品が広く受け入れられたのは、ひとえにテーマがわかりやすく、そこを徹底的に深掘りしているからです。 「好きって何?」「信じるってどういうこと?」 単純な気持ちを突き詰めてい […]

「鉄人」著 矢作俊彦・落合尚之

「鉄人」著 矢作俊彦・落合尚之 隠れた名作ですね。 押井守さんや安彦良和さん、大友克洋さんというそうそうたるメンバーが絶賛している作品です。 まず話の設定が面白いです。 現代の旧満州が舞台で旧日本陸軍が隠していた兵器が次々に出てくるわけですから、歴史が好きな人には興味深いですね。 そこに最新のロボット技術の話がうまく噛み合っているわけですから、SFとしてこの上ない話です。 この作品を読んでいて思う […]

「漆黒のブリュンヒルデ」 著 岡本倫

「漆黒のブリュンヒルデ」  著 岡本倫 これは面白かったです! 何となく読み始めたら最後、続きが気になって仕方なく、一気に読んでしまいました。 まず話の設定と構成が抜群ですね。 いきなり、幼少期に良太と寧子が転落するところから始まり、自分のせいで寧子が死んだと良太が背負った十字架を読者は思い知らされます。 そして、高校生になった良太に、再び現れる死んだはずの寧子。 でも、彼女には記憶がない。 これ […]

「ダイヤのA」 著 寺嶋裕二

「ダイヤのA」  著 寺嶋裕二 エンゼルスの大谷翔平選手も推している漫画ですね。 普通高校野球を舞台にした漫画は、大抵の場合は、投げてよし打ってよしの主人公が弱小高校の野球部に入って強豪校を次々となぎ倒して行くという話が王道ですが、この漫画は違います。 弱小中学でエースだった主人公の沢村栄純が東京でも指折りの強豪校に入り、そこで生き残りをかけた切磋琢磨の姿が描かれるんですね。 つまりこの漫画は、漫 […]

「闘将!!拉麵男」 著 ゆでたまご

「闘将!!拉麵男」 著 ゆでたまご 80年代に一斉を風靡した「キン肉マン」の絶頂期に描かれたスピンオフ作品ですね。 「キン肉マン」に出てくる人気超人、ラーメンマンの若かりし頃の活躍を描いた作品です。 「キン肉マン」が集英社の総本山である少年ジャンプで毎週連載されていたのに対し、本作はフレッシュジャンプという月刊紙で掲載されていました。 子どもの頃、この作品読みたさにフレッシュジャンプを買っていた記 […]

「タッチ」 著 あだち充

「タッチ」 著 あだち充 80年代を代表する名作漫画ですね。 あだち充さんの漫画にはハズレがありませんが、その中でもダントツに面白く、売れたのがこの作品です。 同年代に生きた人は、誰もが「タッチ」という名前だけでなく「上杉達也」や「浅倉南」といった名前を聞いたことがあるかと思います。 さて、そんなあまりに有名な本作ですが、残念ながら多少誤解して記憶している人が多いようです。 多くの人がこの物語に典 […]

「ザ・ファブル」 著 南勝久

「ザ・ファブル」  著 南勝久 非常に面白い漫画でした。 個人的に普段あまりヤンキーとかヤクザなど裏社会の人が活躍する話は好きじゃないのですが、これは一気に読むことが出来ました。 まず何よりも設定が面白いです。 暗殺者として絶対的なスキルを持つ主人公が、時代の変化とともに用無しとなり、普通の日常生活を送るように命じられる。 それが出来れば、そのまま一般人となり、出来なければ組織に処分されるという話 […]

「飛ぶ教室」 著 ひらまつつとむ

「飛ぶ教室」 著 ひらまつつとむ 30年以上前に少年ジャンプで連載された話です。 単行本にしてわずか2巻分の長さしかありませんが、その短い間の連載で少年時代のわたしに無茶苦茶インパクトを残した話でした。 「キン肉マン」「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」とジャンプ前世の時代ですが、それらに負けるとも劣らないくらいの印象を残していますね。 物語の舞台は、1980年代。まだまだ米ソの冷戦が続いている中でい […]

「デイ・アフター・トゥモロー ―カイ・シデンのメモリー―」

「デイ・アフター・トゥモロー カイ・シデンのレポート」の続編ですね。 前作の「カイレポ」がカイがバリバリのジャーナリストとして働いている「Ζガンダム」の時期を舞台にしているのに対し、今回の「カイメモ」はそれから数十年経ったあとの話、おそらく「閃光のハサウェイ」の時期前後が舞台で、カイもすでにかなりの中年になっており、そろそろ一線からの引退を考え始めている年齢になっております。 物語が繰り広げられる […]