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文化

「黄色い本 ジャック・チボーという名の友人」

手塚治虫文化賞を受賞した高野文子さんの作品ですね。 一言で言えば、難解でいて、単純な話と言ったところでしょうか。捉えどころのない言葉ですが、正直、それほど長い作品でもないにも関わらず捉えどころのない作品であり、捉えどころのない作品だからこそ、妙に人の心に残る作品なのだと思います。 内容はロジェ・マルタン・デュ・ガールがノーベル文学賞を受賞した「チボー家の人々」を田舎の高校生の女の子を読んでいるとい […]

なぜスーパーヒーローは売れなくなってしまったか

ヒーロー雑誌が苦境 男の子なら通る道、じゃなくなった 「てれびマガジン」や「てれびくん」が全然売れなくなっているという話ですね。 確かに昔は割と本屋の店頭にあったものですが、本屋そのものが町から消えていますし、最近見かけなくなったものの一つですね。 それだけじゃなく、ヒーローモノの玩具や関連商品の売り上げも年々減っています。 なぜスーパーヒーローは売れなくなったのか。理由としてあげると、まず少子化 […]

「鬼滅の刃」はなぜ東京MXが放送? アニメ文化を守った放送局

「鬼滅」や「Fate」はなぜ、東京MXを選んだのか弱小局がキー局に勝るアニメ強者になるまで 「鬼滅の刃」がなぜテレビ東京の十分の一の規模でしかないローカル局の東京MXで放映されたのか?という話しでしたが面白かったです。 確かにジャンプの漫画といえば、私が子供の頃は全国ネットを持つキー局が放送するのが当たり前だったのが、なぜローカル局でやったのかと疑問に思っていました。 記事を要約すると、まずそもそ […]

「ひとりぼっちの宇宙戦争」

「ドラえもん」や「パーマン」で知られる藤子F不二雄さんの短編ですね。 藤子F不二雄さんの短編では、様々な短編集の表題になることが最も多いので、一番知られた作品ではないでしょうか。 まずアイデアが光る作品であると思います。 そもそも題名からして、とても魅力的です。 「ひとりぼっち」というイメージを狭める言葉と「宇宙戦争」というイメージを広げる言葉という相反する二つの言葉を並べることで、これから作品を […]

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回を観て、一つだけ残念に思ったこと

ついにNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が終わってしまいましたね。 沢尻問題や岡村問題、それに加えてコロナによる中断と様々な形で試練がありましたが、予定よりも少しオーバーしながらも無事に放送が終了出来てよかったです。 誰もがその名を知りながらも、これまで主人公として描かれることが少なかった明智光秀をいかに描くか、その点が楽しみであり、毎週観ていたのですが、ほとんど資料が残っておらずわからないとされてい […]

「ミノタウルスの皿」

「ミノタウルスの皿」 藤子不二雄 「ドラえもん」や「パーマン」で知られる巨匠藤子F不二雄の作家人生でターニングポウントとなった言われる短編ですね。 当時連載終了が続き落ち込んでいた藤子F不二雄に、大人向けの漫画誌「ビックコミック」から依頼が来るんですよね。 一度はずっと子供向けの作品を書いてきたからという理由で藤子F不二雄は断るのですが、編集長の熱意ある説得を受けて応じたのがこの作品です。 ネタバ […]

「囚われし者たちの国 政界の刑務所に正義を訪ねて」 著 バズ・ドライシンガー

「囚われし者たちの国 政界の刑務所に正義を訪ねて」  著 バズ・ドライシンガー これはすごいルポタージュでした。刑務所から大学へのパイプラインというプログラムをアメリカで立ち上げた大学教授の著書なのですが、刑務所で教えるうちに、刑務所の在り方、司法の在り方を大きな視点で問い直したいという動機で世界中の刑務所を訪ねた歩いた記録です。 わたしたちの社会には、当たり前のように刑務所があり、悪いことをした […]

「機動戦士ガンダム THE ORIGN MSD ククルス・ドアンの島」

「機動戦士ガンダム THE ORIGN MSD ククルス・ドアンの島」 漫画 おおのじゅんじ メカニカルデザイン カトキハジメ キャラクターデザイン ことぶきつかさ 原作 矢立肇・富野由悠季 漫画原作 安彦良和 元々「ククルス・ドアンの島」はファーストガンダムのアニメの一話で放映されたものですね。 アムロが南海の島に不時着し、戦災孤児たちを連れて戦争から逃げていく脱走ジオン兵「ククルス・ドアン」と […]

〈家父長制〉は無敵じゃない 日常からさぐるフェミニストの国際政治 著 シンシア・エンロー

〈家父長制〉は無敵じゃない 日常からさぐるフェミニストの国際政治 著 シンシア・エンロー 社会の様々な場面で支配の顔を覗かせる家父長制に対して、フェミニストたちがいかに戦ってきたのかを記した本です。 男性の中には、フェミニスト=男性を攻撃する人と認識している人も多いと思いますが、この本を読むとわかりますが、フェミニストは男性そのものを攻撃しているわけではなく、家父長制がおかしいと主張しているんです […]

「紙の砦」

「紙の砦」 手塚治虫 学生の頃に衝撃を受け、のちの手塚治虫のほかの作品を貪るように読むようになったキッカケの作品です。 太平洋戦争末期に中学生だった手塚治虫の自伝的な作品ですが、子どもという弱者の視線から戦争を見つめることで、戦争とは何なのかを如実に示している作品ですね。 短い短編ですので、ネタバレにはなりますがざっと粗筋を紹介します。 物語は戦争末期。とにかく漫画が好きで、将来漫画家になりたいと […]