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厳選名著紹介

「宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短編コレクション 上」 著 松本清張

「宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短編コレクション 上」  著 松本清張 宮部みゆきさんが松本清張先生の傑作短編を選んでまとめているという、ファンにとってはこの上ない文庫シリーズです。 しかも、上・中・下と三巻もあるので、贅沢ですね。 今回はまず上巻です。 収録されている作品は、 「或る「小倉日記」伝」 「恐喝者」 「一年半待て」 「地方紙を買う女」 「理外の理」 「削除の復元」 「捜査圏外の条件 […]

「ABC殺人事件」 著 アガサ・クリスティー

「ABC殺人事件」  著 アガサ・クリスティー アガサ・クリスティーの作品の中でも人気の高い、代表作の一つですね。 ミステリー用語でいうところのミッシング・リンクという手法の教科書的な作品といわれています。 確かに、無駄なくスルスルと読み進められ、騙されまいと思っていながらも、ああ、なるほど、そういうことか……と最終的に思わされてしまうところはさすがとしかいいようがありません。 細かいトリックに焦 […]

「そして誰もいなくなった」 著 アガサ・クリスティ

「そして誰もいなくなった」  著 アガサ・クリスティ アガサ・クリスティの名作ですね。 ミステリーの最高傑作の呼び名も高い作品です。 映画で観たことはあったのですが、改めて本で読んでみると確かにすこぶる面白かったです。 まずすごいなと思ったのは、無駄が全くないという点。 本当にスルスルと読めることが出来ました。 見ず知らずの人間が10人、離れ小島に呼び寄せられることで話が展開するのですが、圧巻なの […]

「寂しい丘で狩りをする」 著 辻原 登

「寂しい丘で狩りをする」  著 辻原 登 ストーカやDV男とそれに怯える女性たちの話ですが、二十年以上前にこの内容を書いていますが非常に進んでいますね。 今でこそ、ストーカーやDVは悪いものだという一般認識がありますが、まだこの認識が甘かった時代に、それをしっかりと糾弾するかのように、こうした行為を行う人間を生々しく描いている点に好感が持てました。 物語は、レイプ被害に遭った敦子が加害者である押本 […]

「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」 著 上間陽子

「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」  著 上間陽子 沖縄において、貧困やネグレクト、虐待などか当たり前のように存在する環境の中で、必死に最善を選んで生きている少女たちのルポです。 全部で七人の少女のルポが本作に収録されていますが、どれもが胸に迫る記録であり、悲しいとか切ないとか、それだけでは収まらない複雑な感情を引き起こす作品です。 専門家として少女たちの話を枠にはめていくのではなく、あくま […]

「偏見や差別はなぜ起こる? 心理メカニズムの解明と現象の分析 編 北村英哉・唐沢穣

「偏見や差別はなぜ起こる? 心理メカニズムの解明と現象の分析  編 北村英哉・唐沢穣 偏見や差別がなぜ起こるかについて、心理学から徹底的にアプローチをされた本です。 第一部では、偏見・差別の仕組みについて書かれており、そもそも偏見・差別とは何なのかについて、理論的に読み解かれています。 ステレオタイプの作り方などは、非常に勉強になりましたし、偏見・差別がいかに政治やイデオロギーとも密接であるかが丹 […]

「嘘と政治 ポスト信実とアーレントの思想」 著 百木 漠

「嘘と政治 ポスト信実とアーレントの思想」  著 百木 漠 ある意味現代社会においてもっと読まれるべき本の一冊かもしれません。 フィルターバブルによって社会的分断が行き着くところまで来てしまっている世界の中で、わたしたちがどう考え、何をするべきなのかに対して、ヒントを与えてくれる作品です。 著者は、今の社会において問題なのは、政治家が嘘をつくことについて意に介さなくなり、言葉の無力化を図っているこ […]

「科学の社会史 ルネサンスから20世紀まで」 著 古川 安

「科学の社会史 ルネサンスから20世紀まで」 著 古川 安 単なる科学史ではなく、科学が社会にどう影響を与えたのか、またどのように世の中に浸透していったのかという点に重点が置かれている本です。 のっけから少し驚かされたのが、科学はそもそも独立しておらず、哲学の中の一分野であったという点。 確かに冷静に考えてみれば、自然科学ですからね。 自然を研究することが、すなわち科学であるというわけで、それが時 […]

「虚空の人」 著 鈴木 忠平

「虚空の人」  著 鈴木 忠平 元プロ野球選手のスター選手だった清原和博さんが覚醒剤取締法違反で逮捕されてから、執行猶予が開けるまでの様子を描いた本です。 実は、清原さんは、子どもの頃のわたしにとって、一番のスターだったんですよね。 物心ついたころから、西武ライオンズのファンだったわたしにとって、甲子園で大活躍してから西武に入団し、ライオンズの黄金期の四番打者として活躍していく清原選手の姿は、本当 […]

「手塚治虫とトキワ荘」 著 中村右介

「手塚治虫とトキワ荘」  著 中村右介 トキワ荘にまつわる話を膨大な資料をもとに調べられているルポです。 これまで漠然と知っていた話も、ああ正確にはこうだったのかとか、こういう話だったんだとか、ここがこう繋がるだという感じで、色々と知ることが出来て非常に楽しめました。 知識欲が非常に満たされましたね。 出版社の成り立ちというか、発展の仕方も時系列にわかるのでとても興味深かったです。 特にトキワ荘の […]