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文化

「アノマリー 異常」 著 エルヴェ・ル・テリエ

「アノマリー 異常」  著 エルヴェ・ル・テリエ 極めて思考実験的な作品ですね。 アイデアそのものが面白いことは確かなのですが、それに力負けしないくらいの筆力があるので、登場人物が多く、複雑でありながらも、話にこんがらがることもなく夢中になれますし、一つひとつの文章を楽しむことも出来ます。 さて、ここからは内容に触れていく話になるので、読んだ人のみが読み進めてほしいのですが、本作においてまず最初に […]

「亜人」 著 桜井画門

「亜人」  著 桜井画門 すこぶる面白かったです。 まずそもそもの発想がいい。 何度死んでも生き返る亜人と呼ばれる人たちが中心に描かれているのですが、これはゲームのキャラクターを彷彿とさせますね。 劇中でパックマンが出てきますが、ようは何度死んでもお金を入れ続ければ何度も生き返るんです。 不死身か不死身に近いキャラクターはこれまでもいたとは思いますが、ただ不死身なのではなく、「何度でも生き返る」と […]

「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」

「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」 1988年/日本 久しぶりに観たんですけれど、不思議と今まで観たときとは少し違う印象を受けました。 簡単に展開を説明すると、地球に居座る人間に絶望したシャアが巨大な隕石を地球に落とすことによって粛清をしようというのをアムロが止めようとする話です。 これまでそう理解していたし、実際大筋ではその流れで間違いないのですが、話をよく見てみると、実は映画そのもののテーマは […]

「大久保利通 「知」を結ぶ指導者」 著 瀧井一博

「大久保利通 「知」を結ぶ指導者」  著 瀧井一博 維新の三傑の一人、大久保利通のイメージがかなり変わりました。 大久保利通と言えば、どうしても西郷隆盛と比較されて、「怜悧」とか「冷たい」とかいうイメージが持たれがちです。 大抵、小説やドラマでも主人公になるのは常に西郷の方で、大久保は悪役にすらされてしまうことも多々あります。 でもこうして大久保が何を考え、何をしようとしていたのかを丹念に追ってい […]

「MAJOR」 著 満田拓也

「MAJOR」 著 満田拓也 野球漫画の金字塔に達した作品の一つですね。 これでもかと降りかかってくる難局に対して、抗おうと努力して後、メジャーリーガーなっていくというわかりやすいストーリーなのですが、わかりやすい主人公像とわかりやすいストーリー展開であるがゆえに、がっつりと感情移入が出来る作品です。 この作品は少年サンデーで掲載されたものなんですけれど、面白いのは同じ野球漫画でも、少年ジャンプで […]

「劇画 ヒットラー」 著 水木しげる

「劇画 ヒットラー」  著 水木しげる 「ゲゲゲの鬼太郎」で有名なレジェンド、水木しげる先生の隠れた名作ですね。 ヒットラーを題材にした海外の作品は多いのですが、こうやってヒットラーの生涯を描いた作品って実はすごく少ないんですよね。 確かに、子どもたちが読むような伝記の題材には、偉人扱いが出来るわけがないので難しいですしね。 ただ個人的には、なぜヒットラーがあのような独裁者になっていったのか、若い […]

「北斗の拳」 著 武論尊(原作)、原哲夫(作画)

「北斗の拳」  著 武論尊(原作)、原哲夫(作画) 80年代に一世風靡したジャンプ漫画の一角ですね。 「お前もう死んでいる」のフレーズを知っている人も多いと思います。 久しぶりに再読しましたが、やはり面白い。 特にラオウと決着がつくあたりまでは一気に読めますね。 さて、改めて読んでみて不思議と思い出したのが、同じジャンプコミックスの「鬼滅の刃」。 「鬼滅」がブームになったとき、良く言われていたのが […]

「ストーリーが世界を滅ぼす 物語があなたの脳を支配する」 著 ジョナサン・ゴットシャル

「ストーリーが世界を滅ぼす 物語があなたの脳を支配する」  著 ジョナサン・ゴットシャル 非常に色々なことを考えさせられる本でした。 今の世の中を見ていると、科学的なスキルを持った人間が社会を支配しているように見えますが、本当はそうじゃなく、世界を支配しているのは、ストーリーをもって人の感情をなびかせる能力を持った人間だという話なんですが、その通りだと思いました。 ここでいう物語とは、映画やドラマ […]

「新黒沢 最強伝説」 著 福本伸行

「新黒沢 最強伝説」  著 福本伸行 「最強伝説 黒沢」の続編ですね。 前作が主人公の黒沢の死が連想される中で終わるのですが、本作では昏睡状態であった黒沢が8年間の眠りから覚めるところで始まります。 そもそも前作がギャグマンガでありながら、読んでいるうちにどこか哲学的は話になっていく不思議な作品ですが、その傾向は本作でも受け継がれています。 前作で黒沢そのものが半ば悟りを開くような形で終わっている […]

「肉体のジェンダーを笑うな」 著 山崎ナオコーラ

「肉体のジェンダーを笑うな」  著 山崎ナオコーラ 「人のセックスを笑うな」で有名な山崎ナオコーラさんの「ジェンダー」をテーマにした作品ですね。 ガッツリとこの問題に対して正攻法をとっているというよりは、SFっぽいアプローチをしている作品です。 山崎さんらしくユーモアを交えながら話を進めているので、とても読みやすい作品でした。 中編と短編が入り混じったものになっているのですが、収録されているのは、 […]