「星夜航行」 著 飯島和一
「星夜航行」 著 飯島和一 よくぞ書いてくれたというか、書くのも編集するのも大変だったんだなと思われる作品です。 豊臣秀吉のいわゆる朝鮮出兵をベースに詳しくその時の話が語られているのですが、すごくためになります。 どうしても、豊臣秀吉と言うと、立身出世の話にばかり目がいってしまい、朝鮮出兵の話は割と歴史の授業なのでもスルーされがちなのですが、これすごい重要な話なんだなというのが読んでてよく分かりま […]
「星夜航行」 著 飯島和一 よくぞ書いてくれたというか、書くのも編集するのも大変だったんだなと思われる作品です。 豊臣秀吉のいわゆる朝鮮出兵をベースに詳しくその時の話が語られているのですが、すごくためになります。 どうしても、豊臣秀吉と言うと、立身出世の話にばかり目がいってしまい、朝鮮出兵の話は割と歴史の授業なのでもスルーされがちなのですが、これすごい重要な話なんだなというのが読んでてよく分かりま […]
「ドント・ウォーリー」 2018年 アメリカ 「グッド・ウィル・ハンティング」のガス・ヴァン・サント監督の最新作です。 身体障碍者になりながら、風刺漫画家として人気を博したジョン・キャラハンの自伝的な映画ですが、物語そのものは、車いすの生活に自暴自棄となった彼がいかにピアサポートによって救われていったかが描かれています。 ピアサポートのことをよく知らない人にとっては、最初はちょっと戸惑うかもしれま […]
「エデンの東」 1955年公開/アメリカ 聖書のカインとアベルをモチーフにして、善と悪を描いているのですが、家族の対比を軸に非常にうまく描かれている映画でもあります。善人で通っている父のアダムには、その善人の血を受け継ぎ、父の信頼も厚いアロンと、幼い頃より悪人と言われ、問題児であったキャルの二人の双子がいるのですが、そのうちのキャルの方の心がこの映画のテーマとなっています。 父に疎まれ、母もおらず […]
「第9地区」 2009年公開/アメリカ、南アフリカ、ニュージーランド 予想以上に面白い映画でした。アイデアの良さと映画作りに対するセンスの良さを十分に感じる映画だと思います。ただのエンターテイメントではなくて、しっかりとテーマを、しかも皮肉をこめて作っているのにはかなり感心しました。 設定がまず面白いですね。20年前になぜかニューヨークやシカゴではなく、南アフリカのヨハネスブルグにやってきた巨大宇 […]
「ゴッドファーザー」 1972年公開/アメリカ ファミリーの絆が何よりも強い、イタリアマフィアの話です。ドン・コルレオーネは、ファミリーたちの頼みごとを聞き、確固たる結束力を築き上げていくことによってマフィアのドンに君臨する老人であるのですが、同時に麻薬には絶対に手を出さない古いタイプのマフィアでした。 でも時代は第二次世界大戦後で、ちょうど麻薬が世界に広がり始める時期と重なり、ドンが持ち込まれた […]
「17歳のカルテ」 1999年公開/アメリカ 何をもって人間というものを定義として他人が決め付けるのか考えさせられる映画です。主人公のスザンナは、社会にも両親にも反抗的で、自分が何者であるのかを迷い、わからず、衝動的に自殺を考えてしまう女の子であるのですが、見た目には、ほかの人と何ら変わらないティーンエイジャーです。 そんな彼女が高校卒業直後に、アスピリンを大量に飲んで自殺未遂(本人は違うといって […]
「きみに読む物語」 2004年公開/アメリカ 女性にはたまらない物語ですね。そして幸せとは何なのかを考えさせられる物語だと思います。物語は療養所に入所している認知症の老女に、デュークとなのる老紳士がノアとアリーの恋物語を聞かせるところから始まるのですが、多くの人が最初から想像するように、それは自分たちの話であり、その話を聞かせることによって、夫は妻に記憶を思い出させようとしています。 作中彼らの子 […]
「チボー家の人々」 ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 ロジェ・マルタン・デュ・ガールをノーベル文学賞に導いた作品ですね。今、読まれるべき文学だと思います。 物語は、裕福な実業家であり、厳格な父親の下で育ったアントワーヌとジャックという二人の兄弟を軸に進みます。 如才なく父との距離間を保ちつつも、医者としての地位を固めていく長男のアントワーヌと、繊細な感覚を持ちつつも、父に反発し、社会に反発すること […]
「鄧小平 最後の闘争 中南海56日の真実」 著 江之楓 八十年代に開放政策を推し進めた鄧小平が、天安門事件を起こすまでの56日間を当時政府の中枢にいた著者が記したドキュメントです。 天安門事件は、わたしが中学生のときに当時は、民主化運動をしている学生たちが弾圧されたくらいの印象しかなく、なぜそうなったのかなどの前後関係などはあまり知りませんでした。 ただ時代が過ぎてあれから三十年が過ぎた今、著し […]
「おくりびと」 2008年公開/日本 アカデミー賞で日本映画初の外国語映画賞に輝き、一躍日本中で有名になった映画ですね。色々な意味で偉大な足跡を残した映画なのですが、日本映画が世界とどう戦えばいいのか、その方法を示してくれた映画でもあります。具体的に言えば、それは日本という国の特殊性を、いかにわかりやすく伝えるのか、ということなんですけれど。 ストーリーは、青木新門の「納棺夫日記」をもとに、ストー […]