草津町町議リコール問題に、女性たちがなぜ怒っているのかをキチンと理解出来ない男性たち

草津を「セカンドレイプの町」と断定…冷静さを失うリベラルへの疑問

そのうちこういう記事が出てくると思っていましたがやっぱり出てきましたね。
草津町町議リコール問題について、非難の声を挙げる女性たちに対する典型的な男性の反応を示す記事です。

ものすごく冷静に知的を装って書いていますが、ようするに町議のリコール請求は正当。女性が性被害を訴える=女性の味方になって大騒ぎになるのはおかしい。やり玉にあげられている町長や町の人々こそが被害者だ。という感じです。
女性たちが何で怒っているのかがそもそも分かっていない時点で、正直痴漢犯罪に対して、冤罪だったらどうするんだ!と騒ぐヤフコメと大して変わらない記事でした。

あのですね、確かに一部には性被害というキーワードに過剰に反応してしまう人はいます。それは認めますけれど、今回の件は、性被害を訴えた女性の正当性のためにほとんどの女性が声を挙げているんではないですよ。あくまで、リコールという強硬手段を使った町長や町について、なぜ被害を訴えているのにそれをフェアに扱わずに、そもそも女性が嘘をついていることを前提に町ぐるみでリコール運動をしたのかという、その強引なやり方に反発しているんですよ。性被害に限った話ではなく、町長側の強権的なやり方そのものが問題なんです。

それを性被害の話にあくまで限定していって騒いでるのは、女性たちではなく、それに反発している男性たちなんです。

上記の記事を書いた人は、女性たちにとにかく騒ぎ立てずに冷静になって黙っていろと言います。
でもね、そうやって黙らされてきた、記事を書いた人のような男性の態度にこそ女性たちは怒っているんですよ。
騒ぎ立てるなと言っても、♯Me Too運動のようなやり方でしか彼女たちは声を挙げられないんです。
だって、考えてみてください。今回の草津町の話なんて分かりやすいですけれど、政治の世界も経済の世界もほとんどが男性、特におじさん、おじいさんたちばかりが権力をふるっています。法律もそもそも男性優位の時代に作られたものですし、未だにセクハラが横行している会社だってたくさんあります。
そもそも女性たちは社会の中で手も足も縛られているような状態の中で、今やっと♯Me Too運動のような形で、声を挙げられるようになったんです。

でも、男性たちの一部はそれをも黙らせようとする。
そして、この上記の記事の著者のように、女性たちは何も分かっていないで感情的に騒いでいるだけと一方的に決めつけて、ぼくたちは冷静だもん、つうか加害者にされるかもしれないから迷惑なんですけれど、と言って自己肯定しているんです。
わかりやすく家父長制を補完しているんですよね。
どんなに知的な顔をしていても、内心はミソジニーの塊で、それをあれこれと言葉を使って正当化しているに過ぎないんです。

女性たちは、なんだかんだで男性優位のミソジニーでまとめようとする空気感に、そして日本の男性社会に対してNoと言っているんです。
ついでにいえば、欧米メディアもそうです。
女性町議その人の告発を信じて、彼女の側に立っているのではなく、彼女の話をそもそも聞こうともしない日本の男性中心主義がもはや時代錯誤だと言っているんですよ。

それなのに、男性たちは頑なにそこは見ようとしない。
あくまで、女性元町議個人の問題だけを挙げて、その人だけが悪いということで話をまとめようとする。
挙句の果てに女性たちがお馬鹿で感情的になっているという話にすり替える。

わたしには、女性元町議が性被害を受けたかどうかはわかりません。
ただそれに対応する町長やほかの議員たちのやり方は明らかに民主主義を逸脱していると思いますし、それを当たり前のこととして受け取ろうとする日本の男性中心主義もおかしいと思います。
そこはおかしいと思わないんですかね。
わたしは同じ日本人の男として、ちょっと恥ずかしいとすら感じていますよ。

ちなみに女性元町議について、町長が訴えを起こしているのに、女性町議は性被害の訴えを起こしていない。だから女性元町議が嘘を言っているに違いない。ヤフコメにはそんなコメントが溢れています。
でもね、今の日本の刑法だと、被害を受けた側が訴えてもほとんど勝てないんですよ。
暴行脅迫要件がある限り、ほとんど泣き寝入りしか出来ないシステムになっているんです。

本当にそもそも手足が縛られているんですよね。
その状態が本当に正しいと思うのでしょうか?

男性たちがまだなってもいない「ハラスメント加害者」になることが怖いから、女性の話に耳を傾けるのは止めましょう。刑法も男性の罪が問われない形にしておきましょう。

そんな態度が本当に正しいんですかね?

日本では、雑誌の表紙や企業の看板に性的なことをイメージさせる女性がそこら中に目につくところに出ています。
日本人はそれを当たり前の景色だと思っています。
でも、その景色を当たり前だと思っているのは、日本人だけですよ。

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