日本政府もやっと巨大IT企業に法規制!公正性と透明性はどこまで保てるのか。

巨大IT企業の不公正な取り引きを規制 新法がきょう施行

米Googleや日本のヤフー、楽天など、巨大IT企業に対して取引環境の改善を促す「特定デジタルプラットフォームの透明性・公正性向上法」が施行されましたね。
内容としては、契約条件の開示や政府に対する運営状況の定期的な報告などを義務付て、巨大ITに対し弱い立場に置かれやすい小規模事業者の保護を図る、といったものですが、こうした巨大IT企業に対する法規制は正しいと思います。
日本では、昨年の楽天による送料無料問題が記憶に新しいと思いますが、ああした地位関係性を利用した巨大企業による横暴は基本的に出来ない仕組みに今のうちにする必要はありますね。

昨今明らかにどこの国でも巨大プラットフォームを持つIT企業が力を持ち過ぎ、世の中の富がそこにばかり流れ過ぎています。
資本主義の仕組みの中で、先見性に描けて莫大な投資をした結果なのだから、文句を言われる筋合いはないと彼らは主張するでしょうが、実際ITに関する法整備がなされる前に、やったもん勝ちで市場規模ばかりが大きくなってしまっているという現実は否めません。
法規制が進む前ならば、自分たちが有利になるような既成事実をどんどんと積み重ねていった方が組織の利益になりますからね。
でもこれだけ世界中で経済格差が広がり、それが理由で様々な問題が起こっている今、もはや世界の国々と連携してIT企業のさらなる巨大化を抑える必要性が出てきているんです。
ビックデータの活用なんて今はそれぞれのIT企業が勝手にそれを使って商売をしてますが、そういう振る舞いを既成事実にされてしまえばしまうほどIT企業は国家よりも力を持って持つ存在になってしまい、国家で抑えられなくなると、今後地球上のすべてのルールが、IT企業の利益のために決まっていくというディストピアな社会になりかねませんからね。

確かに国ぐるみでそうした方向に向かいつつある中国は脅威です。
でも中国に対抗するためにIT企業に好きにやらせるというのは、あまりに本末転倒で無責任なやり方になんですよね。
そういった意味でも、今回ようやく日本政府も重い腰を上げて欧米の他の国々に倣って巨大IT企業の押さえ込みを始める法律を施行したことは評価できます。

しかしいつもそうですが、何ぶんことを始めるのが遅過ぎます。常に欧米の後追いになってしまっているのは情けない限りですし、またどこか巨大IT企業に気を遣ってか、技術革新を妨害しない観点から自主的な改善を重視するなど、罰則をどこまでやるのか不透明なのが気になります。
EUのように違反企業には思い切って巨額罰則金を課さなければ、結局はイタチゴッコに陥りかねないように思えますが。

とりあえず法律の施行にあたって、GAFAもヤフーも楽天も法律の遵守を宣言して、それぞれ環境の整備を始めていることを示唆しています。自分たちで自浄作用が働くことが一番ですが、彼らがとこまで真摯に社会との協調を目指すのか見ものですね。

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