霜降り明星せいやは、なぜ新幹線で暴言を吐かれたのか。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190131-00010010-flash-ent

なぜかどうしても気になってしまう記事でした。
M1でも優勝した霜降り明星のせいやという芸人が、新幹線に乗車の際、乗務員が悪口を言っているのを聞き付け、それに対して抗議し、さらにそれをラジオでも流したという話なのですが、まず前提として、悪口を言ったという新幹線の乗務員に非があり、JR東海はこのことに対して、真摯に受け止め、対応はしなければなりません。

ただ疑問に思うのは、なぜ謝罪をした相手に対して、それをさらに知名度がある人がわざわざ公共の電波であるラジオ放送で流す必要があったのかということ。
芸人としてそれで笑いをとるつもりならいざ知らす、実際、笑いにはなってなく、ただ怒りに任せて喋っていたという印象しかありません。
また記事には、そもそも乗務員は「態度が悪い」ということを口にして、当の芸人が怒ったという話ですが、自分がどんな態度であったのかも言われていません。(ラジオでは喋ったのかもしれませんが)

なぜこの問題にここまで、踏み込むのかと言うと、個人的には、この問題によくも悪くもサービスをする側と客との強い上下関係が垣間見られるからです。
乗務員は、当然、客の悪口を言ってはいけません。
ただ客も神様ではなく、いくらお金を払っているとはいえ、不必要に乗務員やほかのお客に不快な思いをさせるような態度を取るべきではありません。
ましてやあるかもしれない自らの非の部分はあまり語らず、あくまで自分が正義の側というスタンスのまま、相手の非難ばかりを大きな声で公共の電波にさらす、という行為には閉口します。
おそらく、正しいのは自分だというのを世間的に認めてもらい、憂さを晴らしたかったのでしょうけれど、その“憂さ晴らし”が過度だと、当然それは社会に負の連鎖を巻き起こし、その積み重ねが結果的に世の中全体を疲弊させてしまうんですよね。
まあ、ようするにこの芸人の行為は、極端なことを言えば、巷を騒がしている土下座を要求する客とかとあまり変わらないじゃないかというわけなんですが、客の側も、一方的に攻撃をするだけじゃなく、もう少し自分の行動や社会の状況などを冷静に見つめた上で、一定の節度は必要なのだと思います。
もちろん、何度も言いますが、そもそも乗務員の悪口を言うのが悪く、それに対して抗議をして、謝罪を求めるところまではいいと思いますが、何にせよ、それ以上のやりすぎはよくないですね。

ラジオでは、このせいやという芸人は、新幹線のトイレにこもってネタを考えていると言ったという話です。これが本当ならば、やはり周りのことを考えておらず、自分のことばかりを考えている人だとみなに思われても仕方ありません。
M1で優勝しようと、社長になっていくら稼ごうと、一人の人間に変わりなく、偉くなったわけでもありません。地位や名誉を得るということは、他人に威張ることを許されることではなく、また何をやっても許されるというわけでもありません。むしろ、それだけ責任が増すということですし、ましてやメディアに出て影響を与えるのならば、当然公人としての模範も求められます。
メディアに出て、人よりもたくさんの報酬を得るというのは、それも含めてなんだと思うんですよね。

霜降り明星が、まだ若くM1で優勝するほどの才能の持ち主であることは間違いありません。ただこういうことで目立つのではなく、皆にたくさんの笑いを届けることで一流の芸人になってほしいですね。