発達障害、グレーゾーンの悲劇

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子どもが発達障害の疑いがあることを受け入れられない親と、その疑いをなかなか口にすることが出来ない保育士。
これは意外と身近に感じる人が多い話ではないでしょうか。
わたしも親として、もしも子どもが……と思うと、なかなか現実を受け入れられない親たちの気持ちはわかります。出来れば、間違いであってほしい。そして、言いようのない怒りをそのこと口にした保育士にぶつけてしまう感情も、ね。
ただ保育士としては、それを最低限伝えることも仕事ですし、そしてこの記事にもありますが、もし本当にそうだとしたら、受け入れる方が本人にとっては幸せになる確率が高い思うんですよね、実際。

わたし個人としては、仕事上若い子の教育係になることが多いのですが、人手不足と言うこともあり、正直最近重度まで行かなくても、ちょっとその毛があるグレーの子を受け持つことは多いです。もちろんそういった子たちは、特殊学級に行っていたわけでもなく、経歴上は普通の子として扱われて生きてきたわけで、本人は普通だと思っており、自分に障害があるなどと露も思っていません。
ただ、正直、こういったグレーゾーンにいる子が社会にそのまま入り込んできた場合が、本人にとっても、また周りにとっても一番大変な事態を引き起こすことが多いのは間違いないように思われます。

ハッキリと障害を受け入れ、国から認定などをされている人は、正直、周りもそういうつもりで扱いますし、それなりに配慮もしようとみんなも思ってくれるのでそれはそれでやりやすい部分はあるんです。本人にしても、出来るところまでやればいいと思えるのですから、割り切りやすいと思います。
ただ、自分は普通だと思っているのに、ちゃんと仕事が出来ない、グレーゾーンにいる人に関しては、ハッキリ言って周りの目も自然と厳しくなってしまいますし、また自分自身もどうして出来ないんだと自分を追い詰めてしまうので辛くなってしまいがちです。
ましてや、人手不足の中で、会社から頭数を合わせるようにこうした子らが戦力として補充された場合は、本当に悲劇です。彼らは充分な教育を受けられないばかりか、人手がない中で、「どうしてこんな使えない奴を入れたんだ」と、「余計な仕事が増えるだけじゃないか」と周りから思われ、そのイライラをぶつけられて、結局は鬱気味になって辞めてしまうケースが多くなってしまいます。
多分、こういう話は、結構今多いと思うんですよね。でも、やはりここでも本人が障害だと認めていないが故に公の話としては残らず、ただ新人が挫折をしたという話にしかなっておらずに社会的な問題として表面化してきません。

職場は、社員としてのスキルは教えることは出来ても、大抵は医学的、心理療法的な専門家がいるわけでもないので対処は難しいです。本来ならば、どこかで気づいて、どこかで支援を受けてきてほしかったというのが周りの社員としては本音だと思います。実際、いくらその明らかな反応から発達障害か何かだと思っても、同僚としてはもはや大人となっている本人に対しては、それを口に出すわけにはいかないのですからね。

親としてはどんなに辛かろうと、子どもの幸せを考えるのならば、やはりその可能性がある限りにおいてきちんと調べる必要はあると思います。
対処が早ければ早いほど、その子にとっての可能性もそれだけ広がるわけですし、また発達障害だからといって、社会に出て活躍出来ないわけではないのですから。

一番重要なのは、本人が生きやすいように周りの大人が導いてあげることなんですよね、本当に。

問題は、障害のある人たちにある訳ではなく、明らかにそれをあたかも恥ずかしいことのように扱う社会の意識にあります。
専門家によっては、国民のおよそ四割が発達障害だと言っている人もいます。
また誰もが得意なことや不得意なことがあるのは当たり前であり、全てにおいて高いレベルで発達している人などほとんどいません。
苦手なこと、得意なこと、出来ないこと、出来ること、そうしたことがお互いにちゃんと口に出せる世の中の方が、誰にとっても楽な世界だと思うんですよね、きっと。

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