ユニバーサル・オーナーとは、巨額の資金を擁しているアセットオーナーで、幅広い企業に長期にわたって投資している投資家のことをいいます。
事実上、世界のあらゆる銘柄に投資しているので、彼らの投資成果は経済全体の動向から影響を受けるわけですね。
つまり、例えば投資先として利益が出ても地球温暖化対策をしない企業があったとします。短期的に見れば、この企業に投資をすれば利益が出ますが、長期的に見れば、この企業が温暖化対策をしない分、温暖化が進めば他の企業が損害を受け、幅広く投資をしているユニバーサル・オーナーは結局損をしてしまうというわけです。
このことがなぜESG投資を語る上で重要かというと、こうした理屈が、ESG投資が倫理的な問題だけでなく、ESG投資をすることこそが合理的だという説明になるからです。
ようするに、巨額の資金を擁し、幅広い企業に投資をしているユニバーサル・オーナーにとって、ESG投資をした方が得だという話ですね。
ちなみに、このような観点で行動することを、ユニバーサル・オーナーシップといいます。
今後、世界の投資額の大部分を占めているユニバーサル・オーナーたちの中で、ESG投資が当たり前の世界になっていけば、ESG投資がより鮮明な形で世界の潮流になっていくに違いありません。
力のあるアセットオーナーたちには、ぜひとも長期的な経済の安定と受益者の利益の両方を考慮に入れた上で、共同して行動してもらいたいですね。