ESG投資を推進する代表的な組織

2015年に日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRIに署名し、ESG投資を始めたことは大きなニュースになりました。日本でこそESG投資はまだまだ物珍しいのですが、欧米ではすでにメジャーな投資になっています。
今回は世界のどんな機関がESG投資を進めているのかを見ていきたいと思います。

まずは実際に資金を出している主だったアセットオーナーを見てみると、

ABP、PFZW(オランダ)、AP1、AP2、AP3、AP4(スウェーデン)、ノルウェー政府献金基金(ノルウェー)、英国環境庁年金基金、英国国教会年金(イギリス)、ニューヨーク市年金基金(アメリカ)、GPIF(日本)、ERAFP、FRR(フランス)

などと欧米の公的年金がズラリと並んでいますね。ちなみに2016年現在で、この中で最も資産残高が多いのは日本のGPIFですが、ESGの投資比率を見ると、ヨーロッパが52.6%、アメリカが21.6%なのに対し、日本は3.4%と圧倒的に欧米の方かESG投資に積極的であることがわかります。

またアセットオーナーの中には自家運用を行う機関もありますが、多くのアセットオーナーはアセットマネジメント会社や信託銀行などの運用機関に運用を委託します。
そこでESGに強い運用機関は、独自に調査部門を設立して、情報を提供したり、投資先企業とエンゲージメントをしているわけですね。

一方で、ESG投資に関わるその他の機関としては、
サステナリスティクス(オランダ)、ウーコム(ドイツ)、ビジオ・アイリス(イギリス・フランス)、トゥルーコスト(イギリス)
などといった数多くのESG評価機関があります。これらの評価機関が企業のESG情報を収集して提供しているわけですね。

このようにひと口でESG投資といっても、アセットオーナー、運用機関、評価機関と数多くの組織がそれぞれに複雑に絡みあい、また影響し合っています。
投資や社会情勢にあまり関心がない人には、正直まだちょっと捉えどころのない話なのかもしれませんね。