応募者1万7000人! 人手不足の中で、老舗の和菓子屋に応募者殺到の理由

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亀戸にある船橋屋という江戸時代に創業した和菓子屋さんなのですが、一昔前まではどこにでもあるような下町の老舗の和菓子屋にすぎなかったのが、今やテレビで取り上げられるほどの人気店になり、ここに入社したいという若者が殺到するまでに変貌したのはなぜかという記事でした。

元々はヤンキーがため口で接客するような店だったのですが、先代を継いだ元銀行員の社長がどんどんと改革をしていったそうです。
で、その改革の仕方が面白いんですよね。一言でいえば、とにかく社長が何もしないこと。つまり、どうしても経営改革というと、カリスマ経営者が強引に利益が出るようにバシバシと社内を変えていくという印象を持ちがちなのですが、この会社では社長がとやかく言うのではなく、とにかく社員が意見を言える会社にすること、色々なアイデアをどんどんと出し合って、みんなで会社をいい方向に持っていくような形に自然に持っていったそうです。
すると、みんなやる気になって、どんどんとうまく回り始めたという話なのですが、ようするに会社を経営する上で、人が一番大事だということをよく物語っているような話ですよね。
最近大企業などでよく聞くのが、人手不足や働き方改革のしわ寄せで、いわゆるデキる人や管理職に仕事が集まってしまい、ワンオペでどうにかしているという話です。まさに上記の和菓子屋とは対極にある話なのですが、短期的にはどうにか仕事が回ったとしても、そういう感覚では遅かれ早かれ、必ずその仕事は、どこかでショートするか、しりつぼみ的にどうにもこうにもならなくなっていくかのどちらかです。
つまりは、その仕事自体も会社も人も成長しない。成長する会社は、人を人として扱い、ちゃんと教育をし、意見をちゃんと言える、みんなで尊重し合って意見を戦わすことが出来る会社です。そういう会社だから、いい人が多く残るし、いい人が来るようにもなります。

ちなみにこの和菓子屋さんは、リーダーを社長が決めるのではなく、みんなで決めるそうです。
そういう姿勢も面白いですし、ある意味で健全ですね。
全社員が社長に絶大な信頼を寄せていて、社長自身も人格者で経営者として申し分なければ問題はないのですが、そんな人は残念ながらあまりいません。
となると、単純にみんなが認める人がリーダーとなって、かじ取り役を担った方が合理的ですし、うまくいくはずに決まってますものね。

とにかく日本の会社は無駄な役職が多く、非合理的です。誰もが意見を言いやすい場を作る。これがこれから生き残っていく会社の条件にすらなっていくかもしれませんね。