リーマンショック後の2009年頃に、財務とESG情報などの非財務情報を「統合」して報告する潮流が生まれました。
グローバル化と多様化が進む中で、投資家にとって財務報告に反映されない情報が求められるようになってきたからです。
そしてその年にIIRC(国際統合報告評議会)が設置され、2013年にIIRCによる「国際統合報告フレームワーク」が発表されました。これが統合報告書のガイドラインになっているわけですね。
統合報告を語る上で、重要なキーワードになって来るのが統合思考です。
統合思考とは、会社の組織や活動と、会社が使用し影響を与える6つの資本との関係を積極的に考えていくという思考です。当然、その中にはESGの観点も含まれます。
つまりは統合思考が進めば進むほど、統合報告書がより充実し、そしてそれに沿って会社は統合的な意思決定をすることを促されるというわけですね。
日本では東日本大震災の後から統合報告書を発行する企業が増え、2017年現在で東証一部上場企業の15%にあたる341社の上場企業が統合報告書を発行しているようです。
これが多いか少ないかは、識者の判断に委ねるところになると思いますが、ESG投資をする上で、キチンとした統合報告書が発行されているかどうかは、今後投資家にとっての一つの判断材料になっていきそうですね。