小田急、来春から小児運賃一律50円 最長の「新宿―小田原」間は395円減
小田急線が子ども運賃を一律50円にすると発表しましたが驚きました。
コロナ禍でほとんどの鉄道各社が値上げを考えざるを得ない中で、まさかの逆張りですからね。
かなり思い切った賭けのように見えますが、でも中長期的視点でよくよく考えると結構理に適ったやり方のように思えます。
少子高齢化がますます進み人口の奪い合いがより進むと予想する中で沿線に子育て世代を引き込むことを考えれば、明らかに安い投資なんですよね。
ウチにも小学生の子供がいますが、子供の交通費って月単位で考えると意外と馬鹿にならないんですよね。
確かにそれがどこに行っても一律50円で済むという話なら、ちょっと小田急線沿線に観光がてら足を伸ばそうかって話にはなりますよね。
家の購入を考えている時期なら住む場所の候補にもなると思います。
それにしてもここ数年、「官」はようやく子育て支援の政策をポツポツと始めていましたが、ようやく「民」も子育て支援に向けて動き始めたというところですかね。
とかくこの国は美しい家族だとかなんとかで、子育てを自己責任に済ましがちですけれど、高度少子高齢化の時代、子どもを育てやすい社会にしないと、結果的に人口が減って自分たちの首を絞めることになります。
欧米先進国の多くはとっくにそのことに気が付いているので、子どもの教育については手厚い政策が多くなっています。
さすがに日本政府もそのことに気が付いて、どうにかしようと考え始めていますが、政治家を見ても温度感はかなりあるようです。
どうしても、子育てそのものを奥さんに任せっきりだった昭和の議員には子育てを充実させることの重要性がわかっていないんですよね。
そして、それは「民」も同じで、会社としても形ばかりは色々な制度を作っても、現場のマネージャーに理解がなかったり、現場そのものでそうした制度を使うこと自体が白い目で見られてしまったりと、なかなか胸を張って子育てを「頼る」ことが出来ません。
社会そのもの、特に当事者でない人たちが都合よく良妻賢母幻想を持ち出して、子育てを母親に押し付けることを当たり前とし、それが出来ない母親に後ろめたさを感じさせるようにしているんですね。
電車の中でのベビーカー論争なんてまさにこの通りです。
ベビーカーを押している人が電車に乗ることを我慢せねばならず、混んでいる時に乗ってしまったら、身を小さくしなければいけないんです。
でも、それはやっぱりおかしいんですよね。
電車において、サラリーマンや高齢者が偉いという理屈はありません。
「一部のベビーカー利用者が横柄だ!」と言って怒る人もいますが、その何倍横柄なサラリーマンや高齢者がいると思っているんですかね。
しかも少し前までは、電鉄会社も譲り合いと言いながら、乗客同士で話し合うことを促していました。
空気的にベビーカー利用者が明らかに分が悪いにも関わらず……。
小田急電鉄が子育て応援をハッキリ口にして、そうした施策をどんどんと打ち出してくれるのは大きいです。
子育てをしている人が後ろめたさなく、普通に電車を利用できる。
電鉄会社がそれが当たり前だとすれば、他の利用者も従わざるを得ませんですからね。
だんだんとそうしたことが当たり前の感覚になってほしいですね。
とりあえず、まずは小田急線沿線に遊びに行くことを考えたいです!