AIは人手不足の救世主となるのか。それとも、人の仕事を奪う悪魔となるのか。

https://president.jp/articles/-/28485

昨今、これだけ人手不足が騒がれる中で、一方でAIによって人がする仕事がなるという話も盛んにされています。
実際に、本当のところはどっちが本当なんだという話なのですが、ようは単純に一言で言える話ではなく、業界や仕事の内容によってまったく違う話なんですよね。
人手不足は確かです。ただどの業界も人手不足というわけではなく、建設、運送、介護、医療、飲食業など、いわゆる激しい肉体労働がある労働や、感情労働が激しい仕事に限られている部分は多分にあります。
また大手企業などの正社員や、いわゆる一般事務職などについてはなり手がたくさんいるのに対し、派遣や請負などの仕事は人手不足甚だしいです。
ようするに、お金になる仕事や、精神的に追い詰められない仕事では人が回っているものの、それ以外の環境面、待遇面でキツそうな仕事では人手不足なんですよね。

一方でAIがその人手不足の解消の一端を担いつつあることは事実です。実際に、スーパーやレンタルビデオ店などでセルフレジが増えているのを見かける人は多いと思います。
ただ、AIがすべてをまかなえるという話ではまだまだありません。事務職などの専門性がないものについては今後、AIが発達し、それに取って代わられる可能性が高いのですが、専門性が高いものや創造性が必要な仕事についてはまだまだAIが人に取って代わるというレベルではありません。

ようするに、簡単な仕事についてはAI化が今度進んでいくでしょうし、そうした仕事については人手不足も解消するでしょうが、それ以外の仕事で、大手のように多くの給料が支払えない業界や企業においては、人手不足はそのままという話になるということなんですよね。

シビアな話ですが、まあ、専門性を身につけなければ生き残れないという話だということです。
今後、明らかに欲せられるのは、専門性や創造性を身に着けた人材です。ただそうした人材はポッと生まれる訳ではなく、企業が育てなければ生まれません。
問題は、間違いなくここにあるんですよね。
人手不足でその日の仕事をこなすのにいっぱいいっぱいの中では、なかなか専門性や創造性を身に着けることは出来ません。
また専門性や創造性を身に着けたとしても、企業がそれをしっかりと評価してくれなければ、それを活かすことも出来ませんし、全く無駄な話にもなってしまいます。

個人の頑張りだけに頼るのではなく、企業そのものが社員をどう育て、それを評価するのか、本当にそのことが問われているんですよね。
そのことに早く気づき、それを実行できる会社だけがこれから生き残っていくのは間違いないと思います。

いかに中長期的な計画を立てて、社員を財産として捉えられるか。
本当に、ここが分かれ目ですね。