東京オリンピック開催を支える過酷な現場

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1905/24/news021.html

東京オリンピックのチケット抽選申し込みが先日締め切られましたね。わたしも、サッカーのチケットを申し込みました。

それにしても、来年に控えたオリンピックですが、明るい話題ばかりじゃなさそうです。とにかく間に合わせようと、労務環境が滅茶苦茶なことになっているみたいですね。月28日勤務、残業200時間など、ありえない数字が出てきています。

まあ、スタジアムに関しては、決まるまでに二転三転したというのもありますが、そもそもの計画が請負の職人たちに無茶に働かせることに成り立たせるというものに立っていること自体がおかしいような気がします。
そして、どうしても気になるのは、こうしたスパイラルに陥ってしまう、どんなに過酷な状況でもどうにか期日に間に合わせねばならない。自分が我慢しさえすればいい。という日本人特有のメンタリティ……。
これは一見、美談のように見えますが、でも、無理なものは無理だと本当は言うべきなんですよね。オリンピックの話だけじゃなく、どんな職場でも。
今の日本の就業環境は、誰かが低賃金で無理に働き、我慢していることで成り立っていることが大きいです。
ほとんどの大人は、それが社会ってもんだといいますが、これは間違っています。そもそもそういう仕組みでしか利益を上げることが出来ない企業そのものに問題があるのであり、出来ない、間に合わない、ならそもそも請け負うべきではないのです。
それを請け負わないと仕事がなくなるから、やらなきゃ会社が大変なことになるという論理で、とにかく頑張れになってしまい、末端の現場の人間が人としての扱いを受けずにどんどんと仕事を増やさせるという悪夢に陥ります。
一番悪いのは、請負業者の足元を見て、低賃金で自分たちばかりの多く利益を取ろうとする大手企業です。
請負業者は、仕事がなくなるかもしれないので、条件が悪くてもそれを請け負うしかなく、そのツケが現場で働く人たちに乗っかっていき、間に合わなければ、現場の責任という無茶な論理にすり替えられてしまうのです。
何度でもいいますが、問題なのは、無茶な計画を立てている人たちです。
なので、どんな現場の人たちにもいえることですが、無茶な働き方をしなければ、期日に間に合わない、はあなたの責任ではないのです。それをどうしても、一番弱い立場の責任にしたがる空気こそがおかしいのです。
勇気をもって、無理なものは無理と言いましょう。そうすれば請負業者そのものも仕事を請け負うことが出来なくなり、ほとんどの請負業者が請け負えなければ、サプライチェーンのトップに立つ大手も、賃金や計画を見直せざるを得ません。

逆に無茶に働き過ぎて、期日に間に合った。それが当たり前だ。という世界になると、さらに追い詰められていく結果になりますからね。
オリンピックを楽しむのもいいですが、それが成り立つ裏に何があったのか、それは誰もがちゃんと知らないといけませんね。