https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00123/00003/?P=1
この記事を読んで、初めて中国の人を理解出来たような気がしました。
確かに、これまで中国という国のやり方に違和感を覚える中で、良くも悪くもこういう意識の元に動いていたとなると合点がいきます。
つまりは、正義かどうかよりも、力関係で動く、の一言に尽きるんですよね。
数千年の歴史の中で、多民族が入り乱れ、その中で一番力があるものが、全てを持っていき、帝国を築く、というのが歴史的な感覚の中で常識になっているんですね。そして、国そのものの規模が常に強大であるわけですから、他の国に対しても、常に力関係で動く、というわけです。
わたしたちが生きてきた歴史感覚では、近代以降の力関係がたまたま弱かった時の中国が基準となっており、それが急に尊大に見えるようなスタンスになってきて、みんな、中国の変貌ぶりに驚いたわけですが、中国からしてみたら、この感覚がスタンダードで、力関係が変わり、自分たちの方が大きくなったから、大きく出るのは当たり前だと言う感覚なんですね。そこには、原理原則もなく、ただ力関係が大きい方が正義であるという考え方であるわけです。
そして、日本との力関係も尖閣諸島ともめたあたりで、入れ替わったことを記事で指摘していますが、その通りだと思います。これから先は、あくまで日本は、中国の周辺国の一つに過ぎず、アメリカがいなければ属国扱いになっていくのでしょう。
日本としては、アメリカと中国という二つの大国のはざまでうまくパワーバランスを保っていくしかありませんね。
それにしても、ビジネスにしても何にしても、こういう感覚の国や人とどう対峙していくのかについては、ちょっとうまく考えなければいけません。
わたしたちとしては、あくまで論理的に何が正しいのか、力で制するのではなく、話し合って決めていくことが大事なのだと言い続けなけれはならないのですが、そもそも資本主義は導入されても、民主主義がないというという感覚の中で生きているので、どうしてもその辺りのことを分かり合うには時間がかかってしまうかもしれませんね。
うまく顔を立てつつも、納得してもらうというコミュニケーションスキルが必要になってくるのでしょう。
今は中国の都市部の人は裕福になっているので、人権上多少の問題があっても、それでいいという感覚で、一昔前の民主化運動などはなりを潜めてしまっているようですが、あとはある程度国全体が裕福になったところで、やっぱり自由に意見が言える方がいいという感覚に国民全体の意識が向いていくことを期待するしかないですね。世界と強調しなければいけないということを、下からの突き上げによって変わっていければと思うのですが、共産党の力が強すぎるがゆえに、時間はまだまだかかりそうです。