とても勉強になる記事でした。
菅首相は10月26日の所信表明演説で、2050年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル宣言」を行いました。しかも2030年代半ばの純ガソリン車の新車販売禁止方針を政府としても打ち出し、正直ちょっとそんなに大きく出て大丈夫なのかなと思っていました。
ただそれなりに裏付けがあってこの方針を出したんですね。
日本の場合特にエネルギーを火力発電に頼っていて、しかも原発事故によって、原発はもうそう簡単には使えません。
再生可能エネルギーを使おうにもまだまだ時間もコストもかかりそうですし、仮に再生可能エネルギーである程度まかなえたとしても、より安定した調整用のエネルギーは必要です。
そんな状態で、温暖化ガスの排出を実質ゼロって、どうすんだってずっと思っていたんですけれど、救世主が現れたんですね。その名は、アンモ二ア。そう、おしっこをする時に臭うアレです。
ようするに火力発電をする際に、天然ガスや石油ではなく、アンモニアを燃焼する方向に向かっているそうです。アンモニアを燃焼させても二酸化炭素は出ませんからね。
で、10%、20%と徐々にアンモニアを割合を多くしていくそうです。
アンモニアなんて、昔からあるんだから出来るんだったら最初にやってよ、という話なのですが、まあ、でもここまでくるまでに技術的には大変で、まだまだクリアしなければいけない問題も大きいとか。
大きな問題点としては、その肝心なアンモニアを生成する方法によっては、二酸化炭素が出てきてしまうこと。
水からアンモニアを作り出すことは出来ますがコストがかかってしまうということで、当面は天然ガスからアンモニアを作り出すしかないようです。そして、その方法だと結局二酸化炭素が出てきてしまい、本末転倒なんですよね。
ただ日本は技術的にはその生成の際に排出された二酸化炭素を溜め込む技術はあるそうです。ただそれを貯蔵する場所がない。
ここが今のところ、大きな問題になっているところです。確かに核廃棄物に比べれな、安全でしょうけれど、量が量だけにね。
それと発電と同じく、大量の温暖化ガスを生んでいる自動車に関しても、このアンモニアが救世主になりそうです。
厳密にはアンモニアではなく、アンモニアから生成された水素ですね。
アンモニアはNH3なので、Nの窒素を取り除けば簡単に水素は作れるのです。
それで、期待されているのがトヨタイチオシの水素で走る車ですね。
ただ水素で走る車を実用化するとなると、これもまたコストがかかるようで、実際には一般的車には電気自動車を、バスやトラックなどは電気自動車よりもずっとパワーを持続して出せる水素カーをという住み分けになるみたいで、トヨタもその方向で動いているみたいですね。
何だかんだで、頭のいい人たちは頑張っているんですよね。
経済成長ありきの環境政策は意味がないという厳しい声もありますが、とにかくやれることは頑張ってやってほしいです。