アメリカの現実から見えて来る、日本が置かれている現実

日本人妻が思わず逃げ帰った…「今のアメリカ」の凄まじい生きづらさ

アメリカ人の夫を持つ日本人妻のことが書かれた記事です。
意気揚々と夫のサンフランシスコ赴任とともに10歳の息子とともに渡米したそうですが、アメリカ社会の現実を目の当たりにしてほどなく息子とともに日本に帰国したという話です。
この日本人妻にとって衝撃的だったのが、アメリカの銃社会。比較的裕福な地域に住んだものの、息子の学校では銃の乱射事件に備えての訓練が当たり前のようにあり、友達が銃を持ってきたという現実に打ちのめされたようです。
確かに、日本人にとっては銃がそこら中にあるアメリカの銃社会は狂気とした思えませんよね。
そして、もう一つこの日本人妻を驚かせたのが、アメリカの大学の異常なほどの費用の高さ。
それまで漠然と息子をアメリカの大学に通わせようと思っていたものの、自分の住んでいる州立大学に通ったとしても、寮費含めて1年で350万円。名門私立大学となると、単純な学費だけで1年につき500万以上は軽くかかるそうです。
さらにそもそも今や世界中の優秀な生徒がアメリカの名門大学を目指してきているため、有名な大学にはすさまじく優秀じゃないと入れない。
何か格差社会が本当に行き着くところまで行き着いてしまっているのがアメリカという感じですね。

そして、そんなアメリカの現実を考えると、日本の置かれている現実が見えてきます。
今の四十代から三十代くらいの人がアメリカに留学する時は、正直今ほどハードルは高くなかったんですよね。
もちろん相応の学力やそれなりのお金は必要は必要でしたが、絶望する程のものではなかった。
実際に、この時期にアイビーリーグに留学したとかいう話もよくあるほどではありませんでしたが、それなりに優秀な人のプロフィールにはちょこちょことありました。

ただその頃からアメリカはどんどんとインフレになり、日本はどんどんとデフレになりました。
アメリカ人の平均年収が上がり、大学の学費も上がった反面で、日本人の平均年収はほとんど変わらなかったんですよね。
アベノミクス以降、多少円高に戻ったものの、それを感じさせないほどアメリカの大学の学費が上がっていき、どんどん狭き門になってしまったんですね。
しかも合否の基準がイマイチわからず、金持ちの間では目が飛び出るような多額の寄付金を大学に支払うことがもはや大学入学の一つの手口にすらなっています。

わずか十年から二十年の間に、頑張れば手に届く位置にあったはずの有名大学へのアメリカ留学がかなりの裕福さと頭の良さがないと叶わなくなってしまってきています。
おそらくこのままアメリカと日本との収入格差が広がれば、その傾向はますます広がるでしょう。
本当にちょっとの世代の差で、感覚は簡単に変わってしまうんですね。

そうなってくると、当然、そもそもアメリカの有名大学への留学は、よっぽどのお金持ちではない限り絵空事になってきます。
もしかすると、今の未就学児が二十代、三十代になったころには、アメリカ一辺倒ではなく、ほかのヨーロッパの国や中国などへの留学のほうがポピュラーな時代になっているかもしれませんし、そもそもお金持ち以外は留学なんて出来ない戦前以前のような感覚になってしまうかもしれませんね。

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