ミャンマー軍のクーデターを見て、日本にいるのが「軍」ではなく、「自衛隊」でよかったとつくづく思う。

【解説】 ミャンマー国軍のクーデター、なぜ今? これからどうなる?

ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問や与党の幹部が、去年の総選挙をめぐりミャンマー軍に相次いで拘束され、軍が非常事態宣言を出して政権を掌握したというニュースが世界中を駆け巡りましたが、酷い話ですね。
軍は選挙で不正があったら調査をする必要があったからと、クーデターの大義を述べていますが、無茶苦茶な話です。
本当に選挙で不正があったかどうかかわかりませんが、仮に不正があったとしてもクーデターで政権を転覆する以上の不正行為はありませんからね。

まあ、多くのニュースでも言われていますが、大方選挙で大敗を喫した軍が影響力の低下を恐れてクーデターに踏み切ったとみて間違いないでしょう。
そもそも軍事政権からようやく民主化されてたミャンマーでしたが、それでも国軍系の議席が4分の1を占め、非常時には政権を掌握できる、一部の大臣の指名権がある等の様々な特権が憲法で保障されている時点で異常です。
スーチーさんたちは、この特権を何とか剥奪して、正常な民主化状態を目指していた。そしてこれが選挙で大勝して現実的になったところで、軍が先手を打ったのでしょう。

おそらくミャンマー軍が中国と結びついていることも簡単に想像が出来ます。
国連常任理事国であり、決議に対して拒否権を持っている中国を味方につけておけば、いくら欧米各国から非難されても国連として制裁を受けることはありません。
また中国にとっても、東南アジアにおいて大きな土地と人口を持つミャンマーが自分たちの陣営に来ることは一路一体路線を進める上でも都合よく、また日本企業をはじめ、中国の政情不安からミャンマーに移った外国企業を再び自分たちの国に呼び込むチャンスにもなりますからね。

とにかくこれは暴挙以外の何ものでもないので、日本ももっと強い言葉で非難してほしいですし、欧米各国と連携して実行力のある行動をとってほしいですね。

それにしても、多くの歴史が証明していますが、軍が力を持っていると本当にロクなことになりませんね。
世界中の軍がなくなればいいのにと本気でそう思ってしまいます。
昔からそうですが、つまるところ軍と言うのは単に外国勢力から自分たちの力を守るという大義の下に、自分たちの国で力を持つことで権力を掌握する道具でもあるんですよね。ようするに石器時代からの腕力が強い者がほかを従わせるという、おおよそ文明人とは言い難い行動を繰り返し続けているわけです。
話し合いよりも、一発殴って、相手を脅すことで言うことを聞かせているわけですからね。
実際に、政情が安定しない国の特徴は、常に軍が力を持ちすぎていて、何があってもすぐに力でねじ伏せることが当たり前になっているという点です。
国の中に常に理不尽で凶暴なジャイアン(あくまで映画に出て来るジャイアンではない)がいるわけですから、国民はたまったもんじゃありません。
彼らは国全体のことなどこれっぽちも考えておらず、力で自分たちの権限を守ることで、自分たちの地位を保全している過ぎない人たちですからね。人間社会の進歩に対して邪魔だてをしている人たちとしか言いようがないんです。

何かそんなことを考えているうちに、第二次世界大戦後、旧日本軍が解体されて何もなくなって本当に良かったと思っている自分がいます。
下手に軍隊が残っていれば、ミャンマーみたいに民主主義としてやり直している最中で、半ば自己陶酔で狂った人たちによってクーデターを起こされていた可能性が少なからずあったわけですからね。
アメリカ軍が駐留しているんだから大丈夫じゃないかと反論する人もいるかもしれませんが、アフガニスタンにもイラクにもアメリカ軍は駐留していたんです。
結果は見ての通り、アフガンでは未だにタリバンがいますし、イラクではISが台頭したわけですからね。
本当にあのとき日本軍の指導者を徹底的に戦犯にして、軍そのものをなくしてしまって大正解でした。
軍がなければ、軍によるクーデターもありませんからね。
その後警察予備隊が出来て、自衛隊が生まれましたが、自衛隊は自衛隊のままで本当にいいと思います。
中国に対抗するために、自衛隊を軍にしろと保守派は言いますが、そもそも他国に攻めることを憲法で禁止している時点で、軍隊はいりません。
尖閣等への対応はわざわざ軍に格上げしなくても出来ますし、国際協力や平和維持活動、災害救助活動何て言うのも、軍である必要性はありませんからね。
それよりも、軍であることを認めてしまうことで、軍としての権利が増大していくことの方がハッキリ言って遥かに怖いです。
一たび軍になってしまって、様々な権利を与えられてしまえば、軍はいつだって権力者がその権力を拡大、維持するための道具になり得ますからね。

過去があり、過去に対して政治上の清算がされていない(公職追放された戦時中の政治家が冷戦に乗じて政治に戻り、今の政治の礎を築いている)時点で、その流れをくむ政治家に対しては、この点において、いくら大丈夫だと言われても、正直そこまで信用なんて出来ませんよね。

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