ニチイ学館の外国人雇い止めに思う、人権感覚の希薄性

【独自】ニチイ、フィリピン女性寮を抜き打ち調査 下着など撮影、人員削減狙いか

これはひどいなぁ。
内閣府の国家戦略特区で家事支援従事者として就労を認められて、来日していたフィリピン人女性206人が、雇い止めや自己都合退職により、大手医療介護人材派遣会社「ニチイ学館」から契約更新されなかったそうです。
しかもそのうち48人の所在が把握できていないとのことです。
高齢者の介護や家庭の掃除など家事支援の仕事をする目的での外国人の入国は、入管難民法で原則認められていないそうなんですが、東京など特区に定められた1市5都府県では、国家資格取得など一定の条件を満たせば、在留資格を認めているそうです。
そこでニチイ学館は、2018年2月から事業を開始し、19年3月末で632人、20年3月末は695人のフィリピン人女性を受け入れたそうです。
そして21年3月末には、受け入れていたフィリピン人のうち489人が契約更新される見込みだったそうですが、206人が退職したそうです。
もちろん自己都合の退社もあるが、問題は一部が不条理な雇い止めだという点ですね。

雇い止めをされた女性の話によれば、クライアントからの苦情がなかったにもかかわらず日本語の試験に落ちたからという理由で雇い止めを通知されたケースや、女性たちが住む従業員寮約20カ所を抜き打ちで一斉調査して、一部では同意なく引き出しを開けたり、部屋干しの下着の写真を撮るなどといった契約解除のための口実無理矢理探し出していたという話もあるそうです。
しかも契約期間中の雇い止めに関しては、該当者を同業他社に斡旋しなければならないというルールがあるにもかかわらず、そうしたことはほとんどしていなかったということです。これが本当の話だとしたらかなり悪質ですよね。

正直相手が外国人だからこのような対応をしているのだとしたら、それは差別以外何物でもない話ですし、差別じゃないと言ったら、じゃあ何なんだという話になります。
どちらにしても、もはやこの会社が人を大事にしない会社の人になのだということを国内外知らしめる結果になってしまいましたね。
ていうか、これだけ人権や多様性が散々叫ばれている中で、むしろそのようなことをしておいて、それがバレないと踏んでいること自体がこの企業の後進性を表しているように感じます。
こんなことが表に出れば、日本人だってこの会社では働きたくないと思いますよ。
ましてやこの企業はそもそも医療、介護、保育などどれも人手不足で困っている業界に人を派遣している会社です。
それがこのように人に対して優しくない態度をとっていれば、この会社で働いている人すら嫌になるに決まっているじゃないですか……。
マスコミに言われたから仕方なく是正するのではなく、そもそも人権や多様性を根管においた上で企業活動をしなければ、結局自分で自分の首を絞めることになるんだということを経営者は理解するべきですね。

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