カシオ社長のパワハラにみる同族経営の問題

音声入手! 社長の「陰湿パワハラ問題」で揺れるCASIOの内実

カシオの社長のパワハラの話ですね。それにしてもパワハラ・セクハラのニュースが多いですね。急に増えたのではなく、それまで隠されていたことが明るみに出るようになったのでしょう。社会的にダメだということが認識されていくためにも、声を上げられる人は、間違っていないのでどんどんと声を上げてほしいですね。次の世代のためにも出来る限り膿を出していってほしいです。

さて、この今回のカシオの話ですが、記事を読みましたが、確かにひどいです、これは。課長クラスのパワハラではなく、同族会社の社長のパワハラなので、組織そのものに与えている影響が大ですね。トップがこの調子であれば、当たり前ですが組織そのものがそうした社長の気風に毒されていきます。しかもこの社長は、創始者の甥であり、現会長の息子ということで、誰も逆らえないどころか、意見も言えない立場にいるんですよね。

何だか創業者が作り上げたものを2世、3世が潰していくという話はよく聞きますが、この様相だとカシオもその道を辿ることになりそうですね。基本的にいくら血縁関係が濃くても能力が乏しかったり、人を育てられない、人望がない人をトップにしてはダメですよ。日本の企業全体が古い体制から新しく変わって行かなきゃいけない中で、そうした人物に舵取りを任せたら、会社の存亡に関わる事態に陥るに決まっています。

実際、記事によると、社長のパワハラに端を発した組織の雰囲気に嫌気が差した優秀な人がどんどんと辞めているそうです。しかも社長は事実を認めずにシラを切っているようで、改善する気などさらさらなく、ほとぼりを覚めるのを待つつもりなのでしょう。

会社の利益よりも、自身の保身にばかりに目が行っているのは明白ですね。わたしが投資家ならトップがこういう姿勢の会社には投資などしたくないですね。いくら世界的に名前が知られていても、未来が暗いことはこの時点でわかりますものね。

それにしてもこの会社のように同族経営というのは本当に考えものですね。大抵の場合、隅から隅まで創業者一族の意向で組織の方向性が定まっているので、監査があっても、経営者に都合のいいようにしか働かないんですよね。日本企業も欧米に倣って、一応監査とか第三者委員会とか社外取締役とか産業医とか、色々とあるにはあるんですが、正直多くはカタチだけを真似しているだけで、経営陣の言い訳に使われていることが多いような気がします。

社長だろうと、創業者だろうと、悪いことをすればちゃんと監査されるべきですし、罰則の対象になるべきなのです。でも、社内の力ある人間には、とかくそれが働かない。自浄作用がほとんどもはや株主任せになっている始末なんですよね。

その組織の経営陣がどれだけ同族で占められているのか。自浄作用がトップに対しても含めちゃんと機能しているか。今後の就職活動において、そうした情報が非常に重宝する時代がやってきそうですね。

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