埼玉西武ライオンズ、2020シーズンの反省と来シーズンへの展望

埼玉西武ライオンズの2021年シーズンが終わってしまいました。
結果は5年ぶりのBクラス……。しかも今日の時点で42年ぶりの最下位の危機です。
今シーズンは最初から最後まで何をやってもチグハグという感じて噛み合わないままに終わってしまったという感じですね。

敗因はたくさんあります。
まずは野手陣の怪我人が開幕当初から多かった点です。
開幕直後に栗山選手が離脱し、その後山川選手や外崎選手も離脱、それでも何とか五分で保っていたのですが、秋山選手以来の待望の一番打者として機能し始めていた若林選手の離脱が大きかったです。
しかも他の選手と違い長期離脱となってシーズンを棒に振ってしまい、若林選手はリーグ断トツの盗塁数を誇っていたために出塁率の低下だけでなく機動力をも失ってしまいました。
さらに追い討ちをかけるようにキャプテンの源田選手のコロナ離脱……。
戦列に戻ってきた山川選手や外崎選手の調子も上がらずに、山賊打線は見る影もなくなってしまいました。
元々投手力がないだけに、打線が点を取れなくなるとキツイですね。

そしてもう一つ、大きな敗因として挙げたいのが、苦手チームを二つも作ってしまったこと。
楽天とオリックスですね。
オリックスについては、辻監督もボヤいていましたが、日程上の不運はありました。投手5冠を達成し、今やジャパンNo.1ピッチャーの山本由伸投手と、新人王濃厚の宮城投手の二人に当たりまくったんですよね。
しょうがないと言っても、確かにこれが順位を下げた理由の一つではありました。
ただ山本投手はともかく、高卒2年目の宮城投手に0勝6敗はさすがにちょっとどうかと思います。
ていうか、左腕に弱すぎるんですよね……。
ここのところは、来シーズン改善してもらいたいですね。

それと、楽天……。
浅村選手が楽天に移籍以降、なぜか楽天にめっぽう弱くなりました。
これは大問題です。ただでさえ、因縁深い楽天にこのザマではファンの感情をいたずらに煽ることになりますからね。
後半はほぼ五分だったので、来シーズンは最初から苦手意識を持たずにやってほしいですね。

さて、反省はここまでにして来シーズンへの展望です。
まず投手については、ここ数年問題視されることが多く、今シーズンもリーグ最低防御率でしたが、それほど悲観していません。
それ明らかに主要投手陣の平均が若く、年々と良くなっていることが感じられるからです。
先発に関しては、ここ数年ローテーションピッチャーとして安定している高橋投手に加えて、今井投手、松本投手は今シーズン明らかにレベルアップした感じがしました。
高橋、今井、松本のドラ1トリオに加えて、成長著しい渡邉投手と、楽しみな若手がいっぱいです。
そこにドラフト即戦力左腕の隅田投手と佐藤投手が加わります。
さらに新外国人がもしも当たれば、かなり改善されそうです。
ブルペンに関しては、去年くらいからだんだんと安定度が出てきました。
平良投手、増田投手、森脇投手の勝ちパターンに、左の武隈投手と公文投手。そこに水上投手と田村投手と来シーズンは秘密兵器と噂される大曲投手が加わりそうなので、ここに新外国人が加われば、数的にも安定してきますね。
平良投手をこのまま抑えにするのか、本人の希望通りに先発をするのか、はたまたどういうレベルの新外国人を獲得できるのかで状況は変わってきますが、豊田コーチもメインになりますし、投手力は来シーズンは大幅に改善されると思っています。

一方で問題は打線ですね。
山賊打線は今や昔、ここ二年は打線がしっかりと線になっていません。
ポイントはずっと言われている秋山選手が抜けた後の1番と、4番です。
1番に関しては、今シーズン当初は若林選手がハマりそうでしたが、ケガで離脱後はまたしても日替わりになってしまいました。
このまま傷の癒えた若林選手がハマるのが望ましいと思いますが、ただ怪我が重傷だったので、このまますんなりとうまくいくかはわかりません。
個人的には、二軍で結果を出した鈴木将平選手をキャンプで鍛え上げて、若林選手と競わせてほしいですね。
そして4番に関しては、やはり「山川選手の奮起に期待!」のひと言でしょう。
山川選手の不調から19年シーズンの途中から結局中村選手が再び返り咲いていますが(栗山選手を含め、骨と牙には本当に頭が下がります)、さすがに39歳にいつまでもおんぶと抱っこというわけにはいきません。
いい加減、パワーヒッターの新外国人を獲得するべきという声がありますが、ここはやはり、山川選手の打棒の復活に期待したいです。
今シーズンの最後の10試合くらいは、山川選手の打撃の調子はよかったです。
ボールがよく見えていたし、振り回すだけでなく、ケースバッティングをしつつもホームランを打ててました。
何かをつかんだ感じがしましたね。
その他にも呉選手や愛斗選手、川越選手やブランドン選手など楽しみな若手も台頭しているので、競い合いながら新山賊打線を形成してほしいです。

最後にチーム全体にいえる来シーズンのキーワードは「四球」です。
まず投手陣は、無駄な四球が多すぎます。
今井投手や松本投手はいい投球をしているの突然四球で崩れることがありますし、全体に与四球率が高すぎます。
一方で、打線は効果的に四球を取れてません。
実は、山賊打線が消え失せた理由はここにもあるんですよね。
誰かが決めるのではなく、線として点を取る。
つなぐ意識があれば、自然に四球も増えますし、四球が増えれば、得点率も上がるはずです。
まあ、当たり前の話なんですが、なかなかこれがわかっていても難しいんですね。

とにかく今年は残念でしたが、来年は浮上しましょう。
最後になりましたが、今シーズンで引退、または惜しくも戦力外という形でライオンズを去る形になってしまった選手のみなさんにはお疲れさまと言いたいです。
また馬場コーチを始め、退団が決定したコーチ、スタッフのみなさまもお疲れさまでした。

来シーズンは辻監督の元、体制がかなり変わると思われます。
報道によると、松井稼頭央二軍監督が一軍ヘッドコーチになり、ソフトバンクの打撃コーチだった平石さんが打撃コーチになるようです。
そして投手コーチは、メインに豊田コーチとブルペンに実績を積んだ青木コーチですね。
いずれ監督を禅譲される松井コーチのやりやすさを考えた人選ですが、とても楽しみです!