日本人が「次のGAFA候補を知らない」悲しい理由投資家が教える「日本は後回し」の破壊的企業
ネクストGAFAの企業がやっていることに対して日本の感度が薄く、このままでは世界から取り残されてしまうという記事ですね。
理由は、日本の市場では規制が厳しいため、既存の認識を越えるような製品がすぐには流通せず、大抵の場合、一周遅れで日本に入ってくるからだといことです。
つまりその製品が日本に入ってきて、初めて多くの日本人がそれを知るに至り、そこからアクションを起こしてももはや遅いということでしょう。
確かにiPhoneやEVなんかをみているとそんな感じですよね。最近では気がついたときには、世界では当たり前になっていることが遅れて日本にやってくるというのが当たり前の感覚にすらなってきました。
商売をしている、特に大手企業からしてみては、切実な話なのでとにかく政府には迅速に動いてもらい、市場を活性化するべく、足かせとなる法規制はできるだけ早く撤廃してほしいと思っているでしょう。
でもここは一つ冷静になって、そもそもなぜ法規制があるのかを考えてみる必要があると思います。
法規制がなぜあるのか。
それは、対象となる製品が新しく、そもそも日本にないものであればあるほど、日本の社会にとってどのような影響があるかわからないからです。具体的にわかりやすい例として薬を挙げると、日本では一つの薬を製品化するまでに多くの他の国とは比べものにならないくらいの審査が必要です。
それは万が一薬に重篤な副作用があることが、その薬が出回ってしまったあとに分かった場合、多くの人が薬害によって苦しめることが分かっているからです。
なので、そうしたことが出来る限り起きないように細心に審査をするのが日本のやり方であり(そのやり方には色々と問題があるとは言われていますが)、逆にアメリカなどは、もちろんキチンとした治験はしますがとりあえずやってみて、もしも副作用が出てしまったら「ごめんなさい。でも責任は持てませんよ」というスタンスなんです。
新型コロナウイルスのワクチンなどがそのいい例ですね。
確かにワクチンを作り経験値や土台は、アメリカイギリスの企業の方が先を行っていますが、ファイザーやモデルナのワクチンが世界を席巻する一方で、日本のワクチンがなかなか認可されないのは、こうした基本的な考え方の違いがあります。
日本の場合は、官民の多くが一石橋を叩いて渡るんですよね。
これはどちらがいいという話ではありません。
利益を追求するのなら、それはもちろんビジネスは迅速にやったもの勝ちです。
でも、先走ってやればやるほど、当然それは雑な部分もあり、社会や経済に対して悪影響を及ぼすことがあるかもしれません。
実際、現在は米国や中国などの覇権国家が世界のビジネスを席巻していますが、その結果として米国も中国も経済格差が恐ろしく進んでいます。
利益追求型で何でもスピーディーに、となってしまえば、当然それは弱肉強食の世界になるでしょうし、また人間社会だけでなく生態系など環境への悪影響もあるでしょう。
ただ一方で、日本の様に規制が多ければ、当然ビジネスに立ち遅れることもあるでしょうし、また規制によって既得権益が守られ、そこから生まれる不平等は間違いなく社会の発展の足かせになりでしょう。
大事なのは、自分たちの国をどうデザインしたいのか、を国民がひとり一人考えることです。
誰か頭がいい人に任せるのではなく、自分たちはどんな国に住みたいのかということをよく考え、意見を発することです。
あくまで米国や中国と戦えるような覇権国家を目指すというのなら、彼らに倣うのも一つのやり方でしょう。
また北欧諸国のように、経済発展一辺倒ではなく、生き方そのものの豊かさに目を向けるやり方も一つのやり方です。
声の大きな人に気圧されて、何となく言われるがままに生きている。
それは楽かもしれませんが、責任感があまりにない愚かな生き方です。
自分たちの国の運命を、つまりは自分たちの生き死にを他人に委ねるわけですからね。
何が大事で、自分たちの国をどうしたのかを考えましょう。
考えた上で、本当にそれが正しいのか、もっと違うやり方あるんじゃないかと様々な人と話し合って考えを洗練させましょう。
そして、数を持って自分の考えばかりを押し通そうとする政治家を国の代表とするのではなく、冷静にちゃんと話し合いが出来る政治家を選びましょう。
結局、自分たちの国を変えられるのは、自分たちしかいないのですからね。