ウクライナが総動員体制、避難先に招集令状…国外から戻った男性「子供も国の独立も守る」
志願兵だけでなく、ついに一般的なウクライナ人男性に対して軍隊への召集令状が届き始めているっていう話ですが、これは正直、ちょっとウクライナにとって悪手じゃないかと思います。
ロシア軍がどんどん迫っていく中で、背に腹は代えられない状況だということはわかります。
でも、これを強制的にやってしまって、愛国心を煽ってそれが当然だという話になってしまうと、それは全体主義になってしまうんですよね。
民主主義を守るために戦っているのに、実際その当事者が全体主義的になってしまうと、話の根本が変わってきてしまいます。
それだと、全体主義的だと非難しているロシアとそう言う意味では変わらなくなってしまいますからね。
ちょっと心配なのは、これによってウクライナ人が分断されないかということです。
当然、ウクライナ人男性にも、ロシアには抵抗したいけれど、内心、軍隊には入りたくないという人はたくさんいるはずです。
でも、空気的にそれが言い出せなくなっている。
それどころか、それを言い出したり、国内外に避難しようという人は、愛国的じゃないと非難すらされてしまう。
どこかで聞いた話ですね。
そうです。
戦中の日本です。
こういう話になってしまうと、当然、黙らされている人たちに不満が出てきて、「それが正しいのか」「そもそもどうしてこんなことになってしまったのか」という話がどうしても出てきてしまって、一枚岩で闘うことでまとまってきたものが崩れかねませんからね。
自分の国を大切に思うことはいいことだと思いますが、愛国心の強要は決して民主主義的な話ではありません。
そもそも国がなくなるかどうかのときだ!
という気持ちはわかりますが、民主主義を守るためにロシアと戦っているのだという根本的なテーゼを失ってしまっては、元も子もなくなってしまいます。
海外からの視線も、これによって微妙なものにならざるをえない人が増えることは必須ですしね。
まあ、本当に背に腹はかえらないのでしょうけれど、でも、ちょっとこれに関しては踏みとどまってほしいです。