秀岳館高校コーチ暴力疑惑動画問題で、「生徒が謝罪」の違和感

秀岳館高校 コーチ暴力疑惑動画で「生徒が謝罪」の本末転倒「暴力は日常ではない」「暴力に理由があった」なら、許される

こういうニュースを見ると、ホント残念に思いますね。
日本の古めかしい部活の在り方が未だに変わっていないところがまだまだあるということです。

秀岳館高校のサッカー部で、コーチが三年生の部員に暴力を働いているシーンの動画が「日常的に暴力があった」という言葉とともに拡散されたが発端とされたこの話。
そのすぐあとに部員たち自らが謝罪動画を流し、「日常的に暴力はない」と謝罪、説明し、むしろ誹謗中傷を受けて困っていると訴えたことによって、問題が鎮火するどころか、余計に闇が垣間見えたと大騒ぎになっています。

まず暴力が日常的にあったかどうかは、警察も事情を聴いているというので当事者たちが本当のことを語らない限りはわかりません。
ただ暴力が日常的にないにしろ、そのキッカケが部員たちの謝罪動画にあるように暴力を受けた部員の言動にあったとしても、コーチによる生徒への暴力が行われたことは事実です。
この一点だけをとっても、これは学校が第三者委員会なり何なりを立ち上げて、迅速に調査を乗り出すべきなんですよね。

しかしその様子はなく、当事者であるそのコーチもサッカー部の監督もコメントすらせずに説明責任を怠っている。
しかもそれだけでも、避難されるべきなのに、その説明責任をあろうことか部員たちに負わせているという時点で、かなりどうかと思います。

仮に部員たちが自発的にやったとしても、それは自分たちの仕事だからと大人が止めるべき話ですし、知らぬところでやったとしても、部員たちにそんなことをさせないように大人が先に説明してそんなことをさせる必要がない状況を作ってあげなくちゃいけない話なんですよ。

部員からすれば、当然、みんな自分たちの将来のことを考えています。
強豪校なので、プロに行きたい子もいれば、推薦で大学に行きたい子もいるでしょう。
そうした地位関係性がもろにある中で、声を上げることは難しく、また学校側やサッカー部側から望まれれば、その意向に従わざるを得ない部分もあるかもしれません。

何か、本当にこういう関係性を生んでしまっている時点で、日本の部活動はちょっとどうかしていると思います。
もはや教育という範疇を越えて、大人たちの利権の話になってしまっていますからね。
こうした状況が全国津々浦々で未だに行われているのだとしたら、ちょっと高校生の大会について、商業的に扱うのは考えた方がいいと思います。

そりゃ、わたしだって、甲子園や高校サッカーの選手権は見たいですけれども、そうやってそこにみんなが注目してしまう、それが学校経営に結びついてしまう、という点で、おかしな流れを創ってしまっているのは事実ですからね。
まあ、それは極論ですけれども、何せよ、教育機関なんですから地位関係性による暴力にはキチンとした倫理観をそこにいる大人こそが持つべきです。

それにしても、今の時代、適切な対応をすぐにして、謝罪と改善を迅速にすることこそが、傷口をそれだけ和らげるということがわかっていなんですよね。
何とか話を誤魔化そうとして、姑息な手を使おうとすればするほど、レピュテーションが下がる一方だということを理解出来ていないのが残念で仕方ありません。

こんなお粗末な対応を見せつけられては、どんなに強豪校でも、ここに入りたがる有望選手は確実に減るだけですからね。