「北斗の拳」
著 武論尊(原作)、原哲夫(作画)
80年代に一世風靡したジャンプ漫画の一角ですね。
「お前もう死んでいる」のフレーズを知っている人も多いと思います。
久しぶりに再読しましたが、やはり面白い。
特にラオウと決着がつくあたりまでは一気に読めますね。
さて、改めて読んでみて不思議と思い出したのが、同じジャンプコミックスの「鬼滅の刃」。
「鬼滅」がブームになったとき、良く言われていたのが、「ジャンプ漫画なのに登場人物が死ぬ。そこにリアリティを感じる」という話でした。
確かにジャンプ漫画と言えば、どんなに激しく戦っても壮絶な死を迎えたとしても、なぜか生き返るというのが十八番でした。
「キン肉マン」では「超人墓場」なる装置を使って生き返ったり、なし崩し的にいつの間にか生き返っていたり。
「魁!男塾」では王大人という誰でも生き返らせてくれるというありがたい人がいたりします。
でも、実は「北斗の拳」では、同時代のそれらの作品と違って、出てくる人の大半が死にます。
そう、「鬼滅の刃」をさきがけていたんですね。
ジャンプ漫画の多くがせっかく人気が出てきたキャラを殺したくないという気持ちはわからないではないんですよね。
でも、「鬼滅」の煉獄さんのように殺すことでインパクトを与えて、語り継がせるキャラに育てるというやり方はありなんだと思います。
ちなみに「北斗の拳」でも有名であるキャラクターは数多くいますが、その大半が実はそんなに長く出ていないんですよね。
個人的にはレイやシュウが好きなんですが、彼らはケンシロウの仲間にはなりますが、話が一区切りすると同時に死にますし、ラオウやトキも結局一部でいなくなりますからね。
でも、たとえ出番が意外に少なくても、インパクトがあれば、人の記憶にはしっかりと残るものなんですよね。
といわけで、久々にこの作品を読んで、楽しみながらもそんなことを思っていたのですが、ただこの作品、一部に対しては細部までしっかりと覚えていたのですが、二部に関してはほとんど何も覚えていませんでした。
読んだはずなんですけれどね。。。
ファルコやカイオウが出て来ることは覚えていたのですが、それ以外に覚えていることと言えば、リンとバットのくだりくらいで、何も覚えておらず、しかも修羅の国篇の後に関しては、何も覚えていませんでした。
改めてこういう話だったんだと思いながらも、やはりこの作品は一部で終わった方がより伝説になったのでは、とチラリと思ってしまいました。
結局、話を続けるには、ケンシロウが強くなり過ぎてしまったんでしょうね。