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文化

竈門炭治郎というキャラクターの発明が少年マンガを変える可能性

いやあ、「無限列車編」のテレビ初放映で大盛り上がりでしたね。 オリジナルストーリーや「遊郭編」の放送予定も発表されて、鬼滅ブームはあと数年は続きそうですね。 さて、今や世界中を賑わしている「鬼滅の刃」ですが、今回は主人公である竈門炭治郎というキャラクターの特異性について考察したいと思います。 この炭治郎というキャラクターは、ひと言で言えば、原作媒体である少年ジャンプにおける主人公像を強く反映した王 […]

「時間封鎖」 著 ロバート・チャールズ・ウィルソン

「時間封鎖」  著 ロバート・チャールズ・ウィルソン わたしがSF小説のコアなファンになったキッカケを作った作品ですね。 この本を読んでその世界観に惹かれ、もっとこうした体験をしたいと思ったのでした。 SF小説として、わたしがこの本が優れていると思うのは、スピン膜に覆われることで星が見えなくなり、地球とその外との時間の経過が変わってくる、つまり地球上での数日が地球外では数万年経つという時間封鎖とい […]

「おおかみこどもの雨と雪」

「おおかみこどもの雨と雪」 2012/日本 わたしが観た細田守監督作品の中では、今のところ間違いなく一番好きな作品ですね。 おおかみおとこと恋に落ちた花が、夫となったおおかみおとこが死んだあとに残された子ども二人を育てていく話なのですが、花のキャラクターがいいですね。 普通なら、オオカミと人間の混血であるのなら、とにかく人間にさせるように母は仕向けると思います。 でも、花にとっては、それはおおかみ […]

「ぽんちうた」 著 死後くん

「ぽんちうた」  著 死後くん イラストレーターとして人気の死後くんの絵本です。 いわゆるわらべうたを死後くん独特のワードセンスで書き換え、これもまた死後くん独特の絵で唄の様子を描いています。 子供に媚びすぎることなく子どもが楽しめる作品で、大人もおもわずクスッと笑ってしまう場面も多いです。 勝手に節をつけて勝手に歌ってくださいという、子どもの創造力を掻き立てることを前提に絵本を一冊の絵本を作り上 […]

「飛ぶ教室」 著 ひらまつつとむ

「飛ぶ教室」 著 ひらまつつとむ 30年以上前に少年ジャンプで連載された話です。 単行本にしてわずか2巻分の長さしかありませんが、その短い間の連載で少年時代のわたしに無茶苦茶インパクトを残した話でした。 「キン肉マン」「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」とジャンプ前世の時代ですが、それらに負けるとも劣らないくらいの印象を残していますね。 物語の舞台は、1980年代。まだまだ米ソの冷戦が続いている中でい […]

「三体III 死神永生」 著 劉慈欣

「三体III 死神永生」  著 劉慈欣 ただただ圧倒されました。 すごいとしかいいようがないです。 この手のハードSFの完結篇は大抵、形而上的な話になりすぎてよくわからなくなることも多いのですが、この作品はそんなことはなく読み始めると最後まで飽きることもなく一気に読めました。 これはひとえに作者の想像力の大きさに尽きると思います。 途中、話を落ち着かせて、じっくりと丁寧に書き込んでいくことでまとめ […]

「宮崎駿論 神々と子どもたちの物語」 著 杉田俊介

「宮崎駿論 神々と子どもたちの物語」  著 杉田俊介 アニメーション界の巨人、宮﨑駿さんを論じた本ですね。 哲学的、思想的知識が豊富であり、介護職をしているという実践的な経験を持つ著者のアプローチはなかなか独特で、読んでいて「なるほど」と思わせる論述がたくさんありました。 個人的には、宮﨑駿さんが被害者意識と加害者意識の狭間の苦しみの中で物語を作っているという話は面白かったですね。 被害者意識とい […]

鉛筆画:真希波・マリ・イラストリアス

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズから登場するキャラクターですね。 「シン・エヴァ」においては、それまで添え物のようなキャラクターだった彼女が、実は非常に重要な人だということがわかりました。 彼女の本心を推察すればするほど、彼女が好きになってしまいましたよ。 ある意味で、レイやアスカからさらに進化した、新しい女性像の到来を予感させる人ですね。

「ハンナ・アーレント」

「ハンナ・アーレント」 2012年/ドイツ・ルクセンブルク・フランス 「イェルサレムのアイヒマン」を書いた頃の思想家・ハンナ・アーレントを描いた作品ですね。 ナチスの高級将校であり、ホロコーストにおいてユダヤ人の輸送計画を実行していたアイヒマンが逃亡先のアルゼンチンで、イスラエルの諜報機関であるモサドによって捕らえられたところから物語は始まります。 自身もドイツ系ユダヤ人であり、フランスで収容所に […]

「図説 科学史入門」 著 橋本毅彦

「図説 科学史入門」 著 橋本毅彦 科学の発達を当時使われた絵画や図像などを用いて歴史的に見ていくという本です。 文系の人で、理系のことを教養として広く学びたい人にとってはこれほどありがたい本はないですね。 難しい話もそれにアプローチした様々な人のナラティブによって語られるので、歴史的に何がどうわかっていったのかがわかりやすくてついつい引き込まれてしまいます。 一部の宗教や民族主義などに偏ることも […]