「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 伴名練 編
「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 伴名練 編 SF作家の伴名練さんが編集したアンソロジーですね。 姉妹編の「怪奇篇」が面白かったので、「恋愛篇」も読んでみました。 収録されているのは、以下の9篇です。 「死んだ恋人からの手紙」中井紀夫 「奇跡の石」藤田雅夫 「生まれてくる者、死にゆく者」和田毅 「劇画・セカイ系」大樹連司 「G線上のアリア」高野史緒 「アトラクタの奏でる音楽」扇 […]
「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 伴名練 編 SF作家の伴名練さんが編集したアンソロジーですね。 姉妹編の「怪奇篇」が面白かったので、「恋愛篇」も読んでみました。 収録されているのは、以下の9篇です。 「死んだ恋人からの手紙」中井紀夫 「奇跡の石」藤田雅夫 「生まれてくる者、死にゆく者」和田毅 「劇画・セカイ系」大樹連司 「G線上のアリア」高野史緒 「アトラクタの奏でる音楽」扇 […]
「日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族」 伴名練 編 SF作家の伴名練さんが、優れた作品でありながらも、これまで種々の短編集で拾われていない作品を集めたアンソロジーです。 集められた短編は、 ・「DECO-CHIN」中島らも ・「怪奇フランクル男」山本弘 ・「大阪ヌル計画」田中哲弥 ・「ぎゅうぎゅう」岡崎弘明 ・「地球に磔にされた男」中田永一 ・「黄金珊瑚」光波燿子 ・「ちまみれ家族」津原泰 […]
「なめらかな世界と、その敵」 著 伴名 練 今後の日本SF界を引っ張っていくであろう、伴名練さんの短編集です。 6つ作品が収められていますが、どれも面白いです。大抵短編集って、微妙なものも混じっていることが多いんですけれど、ホントにハズレが一つもなかったですね。 SF作家として非常に安定、卓越した力の持ち主何だということがこの短編集を読むだけでわかります。 ラインナップとしては、表題にもなってい […]
「ベイビー・ブローカー」 韓国/2022 「万引き家族」の是枝監督が韓国で撮った作品ですね。 是枝監督は一貫して家族の在り方について深掘りしていますが、この作品も例に漏れずにテーマはそこにあり、しかも「万引き家族」よりもさらに深化しているように思えました。 物語はいわゆる日本でいうところの赤ちゃんポストに捨てられた赤ちゃん、ウソンを巡る話なのですが、慈善団体の職員とつるんでいた赤ちゃんの仲介を行う […]
90年代米国が罹った「みんな子ども症候群」の正体「スーパーマン」「バッドマン」がヒットした背景 ああ、これは何かすごいわかる話です。 アメリカのジェネレーションXの話なんですけれど、ようするにベトナム戦争後に生まれた世代は、社会運動で何かを変えられるとは思っておらず、どんどんとPOPカルチャーに没入していってしまって、POPカルチャーを通じてしか、自分の感情が説明出来なくなってしまったという話です […]
「華氏451度」 著 レイ・ブラッドベリ SF小説の古典ですね。「火星年代記」のレイ・ブラッドベリの代表作です。 アメリカでは、国民的文学のとさえも言われている作品です。 ディストピアものとしては、オーウェルの「1984」と双璧ですね。 ヌーベルバーグの時代に、フランソワ・トリュフォーが映画化したことでも知られています。 さて、内容なんですが、いわゆる「焚書」がテーマである作品で、深いです。 本 […]
「憂鬱なペンギン」 著 アンドレイ・クルコフ 90年代に書かれたウクライナ人作家の作品ですね。 一見不思議な印象を残す話です。 個人的には、星新一さんのショートショートを長編にして、さらに不条理さをつけ加えればこんな風になるのかな……などと考えながら読む進めました。 話のキーは、売れない作家が新聞社に生きている人間の追悼記事を書くように求められ、それをこなしていくという点です。 これはなかなか面白 […]
「ドンバス」 2018/ウクライナ、オランダ、ドイツ、フランス、ポーランド、ルーマニア ロシアによるウクライナ侵攻によって、今やドンバス地方(ドネツク、ルガンスク地方)の名前を聞かないことはありませんね。 ロシアと隣り合っていて、現状新ロシア派の住民が多いということは知っているのですが、ただそもそもこの地域の話について、良く分からないので、名前だけが独り歩きしていて、イメージがあまり出来ていないと […]
「ユフラテの樹」 著 手塚治虫 手塚先生らしいテーマ性の強いSF作品ですね。 主人公は高校生の男女三人。彼らが研究発表のために訪れた島で見つけたのがユフラテの樹であり、彼らがその実を食べたことで話が展開していきます。 ようするに、実を食べると人並外れた力を得るという超能力ものなのですけれども、面白いのが超能力を得て悪さをする悪党を倒すというありがちな勧善懲悪を描くのではなく、超能力を得るのはあくま […]
「消失の惑星」 著 ジュリア・フィリップス これは傑作でした。 社会テーマ性や文学性が高いだけじゃなく、いわゆる読ませる本でしたからね、ほとんど非の打ちどころがない作品です。 まずこの作品について触れなければいけないのは、舞台がロシアのカムチャッカ半島というところ。 名前は聞いたことがあるけれど、どういうところなのか全く想像がつかない場所ですよね、一般的に。 個人的にも、昔国語の教科書に谷川俊太郎 […]