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文化

「ハンチバック」 著 市川沙央

「ハンチバック」  著 市川沙央 読んでよかった。 読み終わってまずそう思いました。 正直、読む前に様々なところから流れて来る情報と印象によって勝手に想像していた話とまったく違いました。 単純にもっと怒りの感情が爆発している話だと思っていたんですよね。 まあ、確かに作者の中には怒りの感情はあると思うのですが、それは簡単に言い表すことが出来るような単純なものじゃなくて、もっと複雑なものだと思うんです […]

「自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体」 著 石井 暁

「自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体」  著 石井 暁 今テレビドラマで話題になっている陸上自衛隊の「別班」の存在を追った唯一の本です。 ようするに総理大臣や防衛大臣でさえもその存在を知らされていない諜報組織があり、その組織が政府がまったくあずかり知らぬところで、身分を偽って中国やロシア、韓国などの海外で諜報活動をしているという話です。 それぞれの国に諜報活動をする組織があること自体は何ら […]

「日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語」 著 山崎晴雄・久保純子

「日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語」  著 山崎晴雄・久保純子 これは色々と世界というか風景の見方が変わる本ですね。 何となく日本に生まれついて、日本に住んでいますが、なぜ日本列島が今のような形をしているのかなんて深く考えたことありませんでした。 考えても、わかりませんしね。 でも、この本を読めばそれが手に取るようにわかります。 わたしは関東の首都圏に住んでいますが、普段目にしている […]

「つじのじつ話 自分らしく、あるがままの監督論」 著 辻発彦

「つじのじつ話 自分らしく、あるがままの監督論」 著 辻発彦 埼玉西武ライオンズの前監督である辻発彦さんの話です。 監督在任中の6年間だけの話に留まらず、西武ライオンズ黄金時代の選手時代や、そこに至るまでの話、また移籍後、コーチ時代の話とほとんど野球人生全般を語ってくれています。 監督時代の話を聞いていると、こんな人が上司だったら幸せだろうなということ。 選手時代に廣岡、森、野村と名監督の下でプレ […]

「団地の空間政治学」 著 原武史

「団地の空間政治学」  著 原武史 すでに昭和の匂いしかしない「団地」。 その多くが立て替えられ、そのままの形を残している団地も数を減らしています。 個人的にこの本を読んで思い浮かんだのは、やはり子供の時に近所にあった団地。 友だちが多く住んでいたこともあり、団地内の公園は遊びスポットの一つでした。 あのときは、ただの風景としてしか団地を見ておらず、そこにある社会背景など考えたこともなかったのです […]

「君たちはどう生きるか」

「君たちはどう生きるか」 2023/日本 待ちに待った宮﨑駿最新作にして、おそらくさすがに最後になるであろう作品。 「風立ちぬ」から10年ですが。まさにその年に生まれた長女は、小学校4年生になっているわけで、改めて時の流れを感じます。 さて、そんなわけでわたし個人としてはようやく観れたのですが、まだ公開から10日ほどしか経ってません。 そして今回は宣伝活動を一切やらないほどねたを言わないでほしいと […]

「滝山コミューン1974」 著 原武史

「滝山コミューン1974」  著 原武史 戦後、高度成長期に西武線沿線では数多くの大型団地が形成されたんですね。 元々、所沢に近い清瀬や秋津には結核のサナトリウムなどの病院施設が多く、共産党をはじめとする革新勢力が強い地盤だったんです。 そんな地域に作られた団地は、その均質的な空間のせいもあり、自然と革新勢力の思想が当たり前のものとなっていきます。 実際、団地の自治会などの役員は、共産党党員が務め […]

「レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史」 著 原武史

「レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史」  著 原武史 西武線を背景に東京の政治思想史を私鉄沿線の単位から読み解いた本ですが、これはなかなか興味深い作品でした。 政治意識が強く、元々共産党などの革新勢力の地盤であった旧国鉄の中央線は、戦争で壊滅的な被害に遭ったあとも、政治的意識が高い沿線でした。 特に中野周辺は今も共産党の支持率が高いことで有名ですね。 一方でロンドン郊外の田園をイメ […]

「黒猫の遊歩あるいは美学講義」 著 森晶麿

「黒猫の遊歩あるいは美学講義」 著 森晶麿 アガサ・クリスティー賞の第一回の受賞作品ですが、面白いです。 新人作家のレベルじゃないです。 ミステリーというと血なまぐさい殺人などを思い浮かべてしまう人がが多いと思いますが、この作品は血なまぐさい殺人などなくても至極なミステリーが成り立つのだということを証明しています。 日常の中で人々の想いによって積み重ねられた事実が他人には突然謎に見えるものなんです […]

「ゼロの焦点」 著 松本清張

「ゼロの焦点」  著 松本清張 松本清張の代表作の一つですね。 何度も映画化・ドラマ化されている作品です。 名作として世代を超えてこれだけ多くの人を惹きつけている理由は、一つは単純に推理小説としてのストーリーの面白さがあるからであり、もう一つはこの作品が持つ社会性にあると思います。 まずストーリーとしての面白さですが、この作品の特徴として、事件の謎解きをして行くのが、刑事や探偵ではなく、普通の若い […]