「プラテネス」著 幸村誠

「プラテネス」 著 幸村誠 デブリ(宇宙ゴミ)を回収する宇宙飛行士の話ですね。 近未来において宇宙に進出する人間の心理をうまく描いていますね。 秀逸なのは、デブリ回収という地味な職業に光を当てることで、世界の矛盾はおろか、宇宙という環境に身を置く人間の哲学的な変化を見事に表現しているという点です。 宇宙を舞台にした話なので、SF的な様相が強いような印象を受けますが、実際話の大半は哲学的な問答である […]

「ビューティフル」

「ビューテヒフル」 2010年/メキシコ 「バベル」や「21g」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督し、ハビエル・バルデムが主演をした映画です。 話の筋そのものは至って単純で、ようする癌により余命宣告を受けた主人公が、幼い子ども2人を残して、なかなか自らの死を受け入れられないというものです。 映画を観ていてすぐにわかるのは、ものすごくリアリティがある映像だということ。 いかに差し迫った現 […]

「交響詩篇エウレカセブン」著 片桐人生・近藤一馬/BONES

メディアミックスの成功例としてよく語られる作品ですね。 アニメの評価が高いことはよく知られていますが、個人的にはそれに負けず劣らずこの漫画版も好きです。 特にエンディングの終わり方は、ちょっと切ない漫画版の方が好きですね。 この作品が広く受け入れられたのは、ひとえにテーマがわかりやすく、そこを徹底的に深掘りしているからです。 「好きって何?」「信じるってどういうこと?」 単純な気持ちを突き詰めてい […]

「鉄人」著 矢作俊彦・落合尚之

「鉄人」著 矢作俊彦・落合尚之 隠れた名作ですね。 押井守さんや安彦良和さん、大友克洋さんというそうそうたるメンバーが絶賛している作品です。 まず話の設定が面白いです。 現代の旧満州が舞台で旧日本陸軍が隠していた兵器が次々に出てくるわけですから、歴史が好きな人には興味深いですね。 そこに最新のロボット技術の話がうまく噛み合っているわけですから、SFとしてこの上ない話です。 この作品を読んでいて思う […]

「露軍によるウクライナ侵攻→米は信用出来ない→だから9条改憲と核配備を含めた軍事拡張を」という主張の危険性

ロシアによるウクライナ侵略が続き、ウクライナ軍も必死に頑張っていますが、なかなか解決の糸口が見えませんね。 さて、そうした最中で気になるのは、ロシアによる力づくの現状変更とNATOによる軍事的な不介入を受けて、日本国内における一部の言説として、「他国との同盟はあてにならない。今こそ憲法9条を改憲して、核配備を含めた軍備拡張をするべきだ」という意見が蔓延り始めているという点です。 確かにあらゆるケー […]

在日ウクライナ人の家族に、日本入国許可を

日本在住ウクライナ人母の嘆き「家族は日本に入れません」「ロシア国内では『アメリカ人がロシア軍服を着て攻撃してるんじゃ?』などのデマも…」 日本在住のウクライナ人の方が嘆いている話なんですか、これは何とかしてあげらませんかね。 要するに家族をひとまず安全な日本に呼び寄せたいんだけれど、現在コロナの水際対策によって、一切外国人は日本に入国できないって……。 コロナの対策も大事ですけれも、今そんなことを […]

ロシアによるウクライナ侵略に、何も出来ずに歯がゆく思っている人へ ウクライナへの寄付サイトまとめ

ロシアによるウクライナ侵略に、何も出来ずにあまりにも歯がゆく思い過ぎて、とりあえずウクライナへの寄付をするためのサイトをまとめてみました。 同じようなことを考えている人のために、とりあえず信用度が高いところだけリンクを貼っておきますね。 在日ウクライナ大使館が発表したウクライナ応援の寄付金口座 日本ユニセフ協会によるウクライナ危機・人道支援のための緊急募金 AAR Japan ウクライナ難民への緊 […]

露軍によるウクライナ侵略開始。まず冷静に、そして根気強くNOを表明し続けよう。

ついにロシアによるウクライナ侵攻が始まってしまいましたね。 ロシアからすれば、NATOの不拡大は欧米との約束事項のはずで、それにも関わらずかつてのソ連の一部であり、ロシアとも国境を接するウクライナのNATO加盟はとんでもない話だ、というのが理由のようですけれども、だからと言って他国を侵略する理由にはなりませんよね。 そもそもロシアのプーチン大統領が主張している、NATOの不拡大という約束は事実では […]

アンジャッシュ渡部さんTV復帰 渡部さんへの根強い嫌悪感の理由

アンジャッシュの渡部さんがテレビに復帰しましたね。 復帰については、賛否両論があると思いますが、個人的に気になっているのは、なぜにこの問題はここまで引っ張られているのか、何が一般視聴者にとって渡部さんを拒絶に走らせているのか、そしてひいては、渡部さんは一体何をすれば、またタレントとして受け入れられるようになるのか、という点です。 渡部さんが批判されている点をまとめると ①多目的トイレを不倫の現場と […]

「漆黒のブリュンヒルデ」 著 岡本倫

「漆黒のブリュンヒルデ」  著 岡本倫 これは面白かったです! 何となく読み始めたら最後、続きが気になって仕方なく、一気に読んでしまいました。 まず話の設定と構成が抜群ですね。 いきなり、幼少期に良太と寧子が転落するところから始まり、自分のせいで寧子が死んだと良太が背負った十字架を読者は思い知らされます。 そして、高校生になった良太に、再び現れる死んだはずの寧子。 でも、彼女には記憶がない。 これ […]