「痴漢祭り」を笑い話だと思ってはいけない

「痴漢祭り」 大学入学共通テスト前、ネットで予告相次ぐ これは酷いですね。 テストを受ける受験生と思しき子は、遅刻は絶対にしたくないから、痴漢をしても通報しない、だから痴漢がし放題だという話が拡散しているという話です。 おそらく大半は面白半分にリツイートしているのだと思います。 非難のコメントも多く上がっているのですが、中にはネタなのに何そんなに熱くなっているの?と無責任に自分たちの言動を正当化し […]

文化資本の広がりが成熟した社会を作る。

東大合格に「文化資本」はいらないのか。貧困の現場で考えた、目に見えない格差とは 文化資本と教育の話ですが、そうですね。 遺伝子というのもその人の人生を決める一つの大きな要因だとは思いますが、それと同様に育った環境における文化資本というのもかなり大事な要因になると思います。 基本的に子どもは親なり祖父母なり身近な人物の影響を大きく受けて育ちますからね。 当然、家に本がたくさんある家の子は、本に興味を […]

岸田首相の「新しい資本主義」のさらなる具体案を考える。

「賃上げはコストではない」岸田文雄首相が“新しい資本主義のグランドデザイン”を初公開《中国とどう対峙する?》 岸田さんの「新しい資本主義」の話ですね。 基本的に、個人的には「新しい資本主義」の方向性はいいと思っています。 市場や競争の原理のままに任せるのではなく、人への投資を重点的にやっていくという考え方も間違えていないでしょう。 バブル崩壊後の30年、ずっと人を削ることで日本の企業はどうにか利益 […]

ネクストGAFAをどう受け止めるか?

日本人が「次のGAFA候補を知らない」悲しい理由投資家が教える「日本は後回し」の破壊的企業 ネクストGAFAの企業がやっていることに対して日本の感度が薄く、このままでは世界から取り残されてしまうという記事ですね。 理由は、日本の市場では規制が厳しいため、既存の認識を越えるような製品がすぐには流通せず、大抵の場合、一周遅れで日本に入ってくるからだといことです。 つまりその製品が日本に入ってきて、初め […]

「ローマの休日」

「ローマの休日」 1953/アメリカ 今も語られる機会の多い古典であり、オードリー・ヘプバーンの名を世界に知らせしめた作品ですね。 物語は不自由な公務に嫌気が差したヘプバーン演じるアン王女がグレゴリーペック演じるアメリカ人記者ジョーと出会い恋に落ちるという話です。 話の味噌となるのは、このジョーという人物がそもそも記者として特ダネ欲しさにアン王女に付き纏ったという点。 つまり、ジョーにはそもそも王 […]

「ブレットウィナー」

「ブレットウィナー」 2017/カナダ、アイルランド、ルクセンブルク アカデミー賞長編アニメ賞でノミネートされた作品ですね。 舞台は2001年のタリバン政権下にあったアフガニスタンです。 原理主義の名の下に女性に権利がほとんどなく、女性は教育を受けられないどころか、家にいることしか許されていません。 実際物語は、主人公である少女パヴァーナに本を読ませた罪で父親が逮捕拘束されたところから始まります。 […]

「カムカムエヴリバディ」安子編を見て、安子に対して批判している人に考えてほしいこと

いやあ、怒涛の展開の中で終わってしまいましたね。 「カムカムエブリバディ」安子編。 3人の女性のリレーによる朝ドラですが、一人目から色々と物議を醸しだしています。 端的に言うと、結果的に娘であるルイを棄てる形でアメリカ人と一緒になり、アメリカに行くことを選んだ安子に対して、批判的な視点で見ている人が多いのですが、何だかそれらのコメントをみているうちに、「ああ、やっぱり日本人の意識はまだまだ家制度に […]

ワクチン接種3回目を受けてみて

一応、病院で働いているので、ワクチン接種3回目を受けました。 2回目の摂取のときに副反応で38度を超える熱が出たので、恐る恐る受けたのですが、今回は翌日のお昼から夕方にかけて気だるさと頭痛があったくらいで大したことはありませんでした。 ただ職場のほかの人を見ると、2回目よりも副反応の症状が重かった人がやや多い印象ですかね。 2回目の摂取でそれほど副反応が酷くなかった人ほど、今回酷かったような気がし […]

「生産性」ではなく「賃金分配率」に注目せよ。

日本人の賃金が停滞し続ける「日本特有」の理由国の賃金を決定的に左右するのは何なのか 日本の生産性が悪い。 だから、日本の賃金は低いままで、韓国にすら抜かれてしまった。という話はもはや至るところでされていて、すでに常識とすらなりつつあります。 でも、上記の記事によれば、結果的に日本の賃金が低いということは正しくても、そこに至る理由が「日本人の生産性が低い」という一言で済ませてしまうのは、いかに乱暴な […]

「中国史とつなげて学ぶ全日本史」 著 岡本隆司

「中国史とつなげて学ぶ全日本史」  著 岡本隆司 これは非常にためになる本でした。 東洋史の先生によって書かれた著作なんですけれど、東洋史の概念から日本と中国の関係をクローズアップして考えています。 そもそも東洋史そのものが中国との関わりの歴史を学ぶ学問なのですが、確かに日本中心の歴史や西洋中心の世界史よりも、日本と中国の関係を考える上では、東洋史の概念に沿って考えた方が、ずっと正確にその関係性を […]