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厳選映画批評

「おおかみこどもの雨と雪」

「おおかみこどもの雨と雪」 2012/日本 わたしが観た細田守監督作品の中では、今のところ間違いなく一番好きな作品ですね。 おおかみおとこと恋に落ちた花が、夫となったおおかみおとこが死んだあとに残された子ども二人を育てていく話なのですが、花のキャラクターがいいですね。 普通なら、オオカミと人間の混血であるのなら、とにかく人間にさせるように母は仕向けると思います。 でも、花にとっては、それはおおかみ […]

「ハンナ・アーレント」

「ハンナ・アーレント」 2012年/ドイツ・ルクセンブルク・フランス 「イェルサレムのアイヒマン」を書いた頃の思想家・ハンナ・アーレントを描いた作品ですね。 ナチスの高級将校であり、ホロコーストにおいてユダヤ人の輸送計画を実行していたアイヒマンが逃亡先のアルゼンチンで、イスラエルの諜報機関であるモサドによって捕らえられたところから物語は始まります。 自身もドイツ系ユダヤ人であり、フランスで収容所に […]

「閃光のハサウェイ」

「閃光のハサウェイ」 2021/日本 まずクオリティーが高くてビックリしました。ホテルの襲撃のシーンとかアニメなのに、すごいリアリティでしたね。 原作は、ガンダム産みの親である富野由悠季さんの小説です。 30年以上前にわたしも読みましたが、若年ゆえにサッパリ感情移入が出来なかったのを覚えてます。 νガンダムに比べて、クスィーガンダムやペーネロペーのデザインもあまり好きじゃありませんでしたしね。 な […]

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」 2021/日本 四連作における最期の作品ですね。 これまで過去三作からの伏線およびテレビシリーズから続く旧世紀シリーズからの決着をいかにつけるのかと注目された作品ですが、結論からいうと、庵野総監督はしっかりと作品を終わらせることが出来たと思います。 ここから先は、ネタバレになるので、観た人だけが読んでいただければと思います。 本作における冒頭の戦闘シーンは、いわゆ […]

「ブルドゥー『ディスタンクシオン』講義」 著 石井 洋二郎

「ブルドゥー『ディスタンクシオン』講義」  著 石井 洋二郎 フランスの社会学者のブルデューの著書として有名な「ディスタンクシオン」の解説本ですね。 ディスタンクシオンを理解する上で、肝となる概念がハビトゥスです。 ハビトゥスとは人々の日常経験において蓄積されていくが、個人にそれと自覚されない知覚・思考・行為を生み出す性向のことをいいます。 つまり、生まれ育った環境の中で、自らが意識することなく自 […]

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」 2012/日本 四連作のうち三番目の話ですね。 冒頭からいきなり前作より14年も過ぎていることがわかって面食らいます。しかも死んだと思われたアスカはなぜか片目に眼帯をして生きているし、ミサトさんたちはネルフの対抗勢力を作っているし、完全に浦島太郎状態であるシンジとともに観ている方も訳がわかりません。 ただこうしてパッと見、テレビシリーズと大きな違いが見える「Q」も […]

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」 2009年/日本 四連作のうちの二番目の作品ですね。 シリーズ全体のテーマが人と人との繋がりであったり、その関係性であることは、前作である「序」でも明らかですが、続く本作の前半部では、孤独のうちに生きてきた主人公・シンジが徐々に他者と繋がっていくことで、人間らしさを回復していく様が描かれます。 学校でも、エヴァでの戦いにおいても、人と協調することでしか得られない喜 […]

「探偵はbarにいる3」

「探偵はbarにいる3」 2017/日本 人気シリーズの第三弾ですね。 このシリーズを見ていつも思うのは、役者のキャラが立つことの重要性です。 話の内容としてはいつも似たような感じなのだけれど、メインの登場人物である探偵と高田のキャラが立っているから必ず面白い。 この人たちはこういう状況でこんなことを言うんだろうなと想像範囲内でも、やっぱり画面で見るとクスッと笑ってしまうんですよね。 原作を読んで […]

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」

新劇場版の第一作ですね。 序と銘打ってあるように碇シンジが登場するところから始まり、ヤシマ作戦の終わりまでが描かれていますが、概ねここまではテレビ版とほぼ同じ流れですね。 テレビ版も最初の頃はそこまで時間に追われずに作られているのがわかるので完成度がそもそも高く、新劇場版になってもそこまで変える必要がなかったということでしょう。 久しぶりに今回序を観直してみたのですが、自分が少し歳をとったからなの […]

「シェイプ・オブ・ウォーター」

2018年/アメリカ ギレルモ・デル・トロ監督らしいダークファンタジーの世界観を構築しながらも、しっかりとテーマを描いている作品ですね。 ヴェネツィア映画祭で金獅子賞獲ったことを皮切りに、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞と総なめにしたのも肯けます。 テーマは題名が示しています。 シェイプ・オブ・ウォーター。つまり水の形という意味ですね。 人の気持ち、人と人との関係、人と生物との関係は、水の肩のよ […]