公益社団法人・公益財団法人とは?

公益社団法人とは、一般社団法人のうちで、第三者機関である「公益認定等委員会」に公益性を認められ、公益認定を得た法人のことをいい、公益財団法人は同様に、一般財団法人のうちで公益認定を得た法人のこといいます。

一般社団法人や一般財団法人が公益認定を得るためには、「公益社団法人及び交易財団法人の認定等に関する法律」で定められた公益認定の基準をクリアしなければなりません。

主な基準は以下の通りになります。

・公益目的事業を行うことを主たる目的としていること
・公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を超えないと見込まれること
・公益目的事業比率が50%以上であると見込まれること
・遊休財産が一定額を超えないと見込まれること
・同一親族等が理事又は監事の3分の1以下であること
・公益認定取消し等の場合、公益目的で取得した財産の残額相当額の財産を類似の事業を目的とする他の公益法人に贈与する旨を定款で定めていること

色々と制約がありますね。認定後は、基準を遵守しているか引き続き知事の監督が行われます。

では、この基準に色々と出てきている公益目的事業とはそもそも何なのでしょう?
 
ここでいう公益目的事業とは、公益認定法において、「学術、技芸、慈善その他の公益に関する」一定の範囲の事業であって、その種類は、認定法で掲げられている23種類に限られているとともに、「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう」と規定されています。

23種類の公益目的事業のうち主なものは以下の通りになります。

・学術及び科学技術の振興を目的とする事業
・文化及び芸術の振興を目的とする事業
・高齢者の福祉の増進を目的とする事業
・地域社会の健全な発展を目的とする事業
・公衆衛生の向上を目的とする事業

具体的にどのような事業が「公益目的事業」に該当するかについては、行政庁の諮問を受けた公益認定等委員会(内閣総理大臣(国)の場合。都道府県にも同様の合議制の機関が置かれている。)が、答申の形式で判断することとされています。

最後に、公益社団法人・公益財団法人になった場合のメリットをお話したいと思います。具体的には、以下の通りになります。

1.社会的に高い信用を得ることができ、行政からの支援なども得やすくなる
2.市民からも大きな信用を得ることが出来る。
3.税制上の優遇措置として法人税において、収益事業であっても公益目的事業と認められれば非課税となる。また、寄附金に対する優遇制度などがある

一番大きいのは、3.の税制上の優遇措置ですね。特に収益事業であっても、公益目的事業と認められれば非課税になるというのが大きいです。これは、まったく同じ事業を認定NPO法人としてやるのと、公益社団法人・公益財団法人でやるのとでは税金が全然違うということです。

ようするに、認定NPO法人の場合は、公益目的事業であっても、200万円以上の収益に対しては、その収益の半分に対して税金がかかるのに対して、公益社団法人・公益財団法人では200万円を越えてもまったく税金がかからないというわけなのです。

なので、収益が大きい団体ほど、公益社団法人にした方が得だという話になります。ただ一定の基準を満たせば、確実に認定を得られる認定NPO法人と違い、公益社団法人・公益財団法人と認められるためには、なかなかハードルが高いと言われていますが……。

ちなみに、公益社団法人になった場合のデメリットとしては、公益認定基準を満たすために法人としての事業に一定の制約があり、事務量が増えることや、公益法人に移行した後も、公益認定基準を満たさなくなった時は公益認定が取り消される場合があることなどが挙げられます。