日本人の幸福度が低い理由

日本人が「幸せ」を外国人より感じない根本理由

日本人の幸福度ランキングが常に低いのはなぜかという記事でしたが、確かにそうだなとも思いました。
普通に考えれば、日本は世界の中でもかなり生活はしやすい国です。
インフラは整備されていますし、治安も悪くない。
誰もが中等教育までは受けることが出来ますし、医療福祉制度も北欧までとはいきませんが、それなりに充実はしています。
それなのに、国民の幸福度はすこぶる低い。

この理由は一言で言って、ようするに自分自身にコントロール感が持ちにくい社会なんでしょね。
一番の理由は、会社人間であることを社会から半ば強制的に推奨されているという点です。
働くことが悪いと言っているのではありません。働かせ方が悪いんですよね。
日本の会社は、とにかくトップダウンが多く、会社に従わせるだけで、若者や女性などに意見すら言わせないところが多いです。
問題は明らかにこれですよ。
会社そのものが軍隊のようになっているところが多いんです。
だから、パワハラやセクハラが当たり前であったりするんです。
金で雇っているんだから、会社が従業員をどう扱おうがかまわない。もっと言えば、とにかく安く買いたたいても構わない。そう思っているんです。
海外からCSRやSDGsなどが輸入され、外国人投資家を無視できず、また少子高齢化による人材不足もあって、少しずつ日本の会社も変わりつつありますが、そのほとんどが自分たちがそう思ったから変えるのではなく、あくまで外圧に負けているに過ぎません。
そんな感じだから、誤魔化しが多く、表面だけしか変わらずに、そもそも管理職の大半がSDGsの読み方すら知らないという事態になっているんです。

あまりに既得権を持つ人間が自分の地位にしがみついているが故に、話し合いで状況を良くしようとか、働きやすい環境をみんなで考えて作って行こうという考えが肌感覚として生まれてこないんですよね。
これは多くのリーダーが「多様性」という言葉を口にしながらも、自身は全く子育てをやったことがなかったり、若者や女性をモノのように扱っていたりと、言っていることと行動が合っていないことが最大の原因で、もっと言えば彼らのうちの多くがそうしたこと自体を認めない、ていうかその矛盾に鑑みようともせずに、ひたすら自己肯定を繰り返しているから、組織そのものがおかしくなっているんです。
昨今、日本の非生産性が語られることが多くなりましたが、こうした力ずくの論理だけが組織にはびこっているからこそでしょう。
無駄な会議や、無駄な忖度。組織や商売や社会をよくするためよりも、目の前の上司に怒られないことに大部分の労力をかけなけらばいけないから、みんな不幸に感じているんです。
記事にあるような、上司に言いづらく有給休暇が権利であるのに自由に取れないというのは、まさにこうした例の最たるものですね。

自由が制限されているということは、より力のある者が自分たちがより強いコントロール感を得るために、都合が悪いから自由を制限するんです。
報道の自由度が下がったり、会社で自由に発言が出来なかったりするのは、基本的にそれが理由です。
そして、自由にモノが言えない状態を当たり前のことだと受けれていしまうことこそが一番人間の精神を蝕みます。
わたしたちには、誰に対しても、相手を不要に傷つけたり、損害を与えたりしない限りにおいては、自由に意見を言う権利があるのです。
それを空気の力で抑え込もうというのは横暴そのもので、その空気に従うことは翻って自分の首をも絞めることになります。

自由に意見を言うことを考えれば、自然と自由に色々なものが見えてくるようになります。
そうすると、自分の生活だけじゃなく、社会のことや、自分が社会に対して出来ることも見えてきます。

目の前の仕事に忙殺されている。でも仕事だから、生きていくためにはしょうがない。
確かにそうかもしれません。
でも、そう言い切る前に、それを続けることが本当に自分たちの幸せにつながっているのかどうか、わたしたちは今一度立ち止まってそれぞれよく考えてみるべきじゃないでしょうか?

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