「イカとクジラ」
イカとクジラ 2005年公開/アメリカ (ネタバレ注意!) 『家族』というものを考えさせられる作品でですね。普通、この手のテーマの場合、感動的なもの雰囲気を持ったものが多いのですが、この作品は、どこか皮肉っぽくて、違う見方をしていて、それ故に普段感じない変遷を経て、心に響いてくる感じがします。 この作品、両親がともに作家であり、16歳と12歳の二人の男の子がいる四人家族であるのですが、のっけからう […]
イカとクジラ 2005年公開/アメリカ (ネタバレ注意!) 『家族』というものを考えさせられる作品でですね。普通、この手のテーマの場合、感動的なもの雰囲気を持ったものが多いのですが、この作品は、どこか皮肉っぽくて、違う見方をしていて、それ故に普段感じない変遷を経て、心に響いてくる感じがします。 この作品、両親がともに作家であり、16歳と12歳の二人の男の子がいる四人家族であるのですが、のっけからう […]
愛を読む人 2008年公開/アメリカ・ドイツ (ネタバレ含みます!) 物語は15歳の少年マイケルと36歳の女ハンナの禁断の情事から始まります。ある意味犯罪で、世が世なら逮捕されるシチュエーションなんですけれど、でも少年の気持ちは大抵の男なら誰もがわかる感情でしょう。これぐらいの年のときって、やたらと大人の女性が魅力的に思えるときがあるんですよね。そしてそんなシチュエーションの中で、この映画の最大の […]
「ヒロインズ」 著 ケイト・ザンブレノ 明らかにこれまで読んだことのないタイプの本でした。ここまで感情が爆発している本はちょっとないですね。 女性であり、マイナーな作家である筆者が、モダニズム全盛期の著名な作家の虐げられた妻たちに想いを寄せ、自分自身の現状と重ね合わせていくという、いわばドキュメンタリーとも私小説ともとれるブログをまとめた本なのですが、この本の場合、読み手で女性であるのか、男性であ […]
子どもと一緒に「映画ドラえもん のび太の月面探査記」を観ました。 単純に面白かったです。 普通に、大人が観ても充分に楽しめる出来になっていると思います。 個人的には、大きく感心した点が一つありました。 ドラえもんの映画と言えば、ものすごい高確率でしずかちゃんが囚われの身になって、他のメンバーがそれを助けるという構図になるのですが、詳しいことは言えませんが、今回の映画ではその点が逆転しているんですよ […]
「空気の研究」 山本七平著 念のため、H2Oではなく、「空気を読む」の空気の研究ですね。 何年か前に東京都の小池知事が口にして、再び脚光を浴びた本でもあります。 作者の山本七平氏は、両親がキリスト教徒であり、生まれた頃からキリスト今日を肌に触れ、その文化を良く知る人であり、また第二次世界大戦時には激戦の地であるフィリピンで戦い抜き生き長らえた経験を持つ人でもあります。 そんな彼だからこそ行き着いた […]
「オリエンタリズム」 エドワード・W・サイード著 文芸に対する批評の目を権力に向けた作品で、世界に大きなインパクトを残した作品でもあります。 1978年に出版された本なのですが、西洋が描く東洋の表象には権力の問題が隠されていることを鋭く指摘した最初の本ですね。 平たく言えば、共産主義国家が衰退していく中で、西洋(特にアメリカ)が新たなる敵としてイスラムを描き出していくことを批判しているのですが、こ […]
隷属なき道 ルドガー・ブレグマン著 ベーシックインカムが成り立つことを、様々なデータから裏付けした非常に興味深い本です。 ベーシックインカムという名前自体は、日本でも維新の会などが実現に向けて検討していたので、聞いたことがある程度の人は結構いると思いますが、ようするに福祉を全部なくしてその代りに全国民にまとまったお金を与えるというシステムですね。 ただそのやり方だけを聞くと、働かずに怠ける人が増え […]
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190203-00262470-toyo-soci&p=1 ドラえもんの原作者である藤子・F・不二雄(藤本弘)先生のアシスタントをしていた方のインタビューですね。 「まいちんぐマチコ先生」を描いた方がずっと藤本先生のアシスタントをしていたとは知りませんでした。 この記事の中では、どういう現場でドラえもんが […]
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190127-00010001-bfj-soci&p=1 この記事を読んでなぜ宮﨑駿監督の作品がここまで日本中で愛され続けているのがわかる気がします。 何と言うのか、作品に対する真摯な態度というか、そもそもの問題意識というか探求度の高さが全然違うんですよね。 「もののけ姫」にハンセン病患者が出てくるのは、たぶんのべ […]
排除型社会 後期近代における犯罪・雇用・差異 ジョック・ヤング著 なぜ格差が広がり、今に生きる人たちの大部分は、こうも常に何かに急き立てられるかのような不安を感じて生きているのでしょうか? この本は言い知れぬそんな現代人の気持ちを、排除型社会という言葉をキーワードにずばりと説明してくれます。 具体的には、労働市場からの経済的排除、人々の間で起こる社会的排除、そして犯罪予防における排除的活動が、少 […]