日本の子育ては愛が足りない。サッカー長友選手の発言は、なぜ叩かれるのか?

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d03277be4b0dc17ef0722e5

トルコリーグで活躍するサッカー長友選手のインタビュー記事がヤフーのヘッドラインに出ていたんですけれども、コメント欄が結構荒れてますね。
記事の内容は、子どもが生まれたばかりの長友選手が海外生活の中で、海外の方が日本よりも子育てに関して愛を感じると語ったものなのですが、確かに長友選手が語っている内容そのものはその通りだと思うのですが、同じ子育てをしている身としては何となくモヤモヤした感情が残りました。

長友選手が言うように、日本の社会は子育てに関して、あまり優しくない部分があることは確かです。レストランや公共の施設など、露骨に言っていないものの、子連れで入りづらい雰囲気をバリバリに醸し出している場所が多いんですよね。また、子どもに対していい顔をしない大人が多いことも確かですし、イクメンという言葉が存在していること自体もおかしいのも確かです。

ただだからといって、日本がすべてダメで、海外の方がすべて優れているという話ではありません。たぶん、長友選手は、自分もそうだったゆえに、もっと色んな人に外の世界を見て、視野を広げてほしい、変えるべき意識は変えて行ってほしいとの思いから、発している言葉なのだと思うのですけれど、何でしょう、話しの持っていき方が今回はあまり上手ではなかったように思われます。
基本的に、“愛”という抽象的な概念で話がくくられており、それがあるかないかで話が進んでしまうので、読んでいる方からすると、日本にはまるで愛がないような印象を抱いてしまい、反感を感じさせてしまうんですよね。
さらに長友選手の場合、どうしても成功した人、お金がある人、家事やマネジメントをやってくれる人が居る人、と見られてしまうので、それらの反感がやっかみと混じり合い、「コイツは上から目線で何を言っているんだ」という話になってしまうわけです。

個人的には、長友選手のように社会的影響力のある人が、自分の考えを表明して、社会に対して変えていきたいと活動をすることは大賛成です。それに触発されて、いい風に自分の人生をシフトしていく人は必ずいますからね。
ただ気を付けなければいけないのは、それがあまりに自分本位に見えるような言い方をしてしまうと、逆に反感を買ってしまう可能性も高いので、発言の言葉一つ一つにもう少し注意をしたほうがよかったのかもしれません。

今回の長友選手の場合は、まず自身がたとえ努力で勝ち取ったとはいえ、自身の立場をもう少しわきまえた上での補足があった方がよかったのだと思います。
日本の子育てに愛が足りないと頭ごなしに言われても、実際、日本にいる子育て世代のほとんどには長友選手のように生活に余裕がある訳でもなく、ギリギリのところで生活を保っているのが現状です。また周りの大人たちに関しても、少子高齢化や人手不足の影響で、心がギスギスしていて、他人の子どもを思いやる余裕がないのも確かでしょう。
そのままじゃいけないと思っているのは、みんな分かっているんです。だからこそ、“愛”のあるなしで単純に話をくくるのではなく、日本の現状などを踏まえた上で、発言や行動をした方がよかったのだと思います。
なんか、せっかく良いことをしよう、人にもっと頑張ってもらおうという意志があるのに、ヘンな風に誤解されて、反感を買ってしまうのはもったいないんですよね。
気持ちがある人だけに、そのへんをうまくプロデュースしてくれる人がいるといいのですが。

今後、長友選手は、長友ドリームというプロジェクトを始めるそうです。ポケットマネーの3000万を出して、300万ずつを応募者それぞれに渡し、夢を実現させるよう応援する企画だそうです。
なんだか、ZOZOの社長みたいな話ですけれども、その心意気自体はいいと思うので、うまく反感を買わずにやれるといいですね、本当に。