BMW〝ディーラーいじめ〟の実態 「過剰なノルマ」「月末に恫喝まがいの電話」
ドイツの自動車メーカー「BMW」の日本法人で起きたディーラー(販売店)に対する過剰ノルマ問題ですけれど、これは本当に酷い話ですね。
13年ごろからノルマが急に厳しくなったそうですが、このノルマを達成させるためにディーラーに新車を買い取らせて新古車として安く客に販売させていたそうです。
ようするに客に安くした分はディーラー側が被るわけで、そこまでさせて販売台数を稼いでいたというわけですね。
一応ノルマをクリアすればBMWからボーナスが支払われるそうですが、それを差し引いても結局ディーラー側が損をすることも少なくなかったとか。
そしてそれでもノルマを達成出来なかった場合は、BMW側は激しく罵られるなどの圧力をディーラーにかけてきて、しまいに契約を打ち切ってくるいうのだから目も当てられません。一体いつの時代の殿様商売かと思ってしまいますね。
少し前にコンビニで本部が勝手にフランチャイズ店にクリスマスケーキやら恵方巻やらの発注をかけ、売り切れなかった分は店舗のスタッフが買い取らなければいけないという話が問題になりましたが、それとまったく同じ話ですね。むしろ商品が高額なだけにタチが悪いです。
このBMWの件については公正取引委員会が独禁法上の『優越的地位の濫用』──取引上の優位な立場を利用して相手に不利益を与えている──として立ち入り調査に入っていましたが、対するBMWは改善計画を提出したそうです。
何かこの手の話を聞くといつも思うのですが、この立場上上位にある会社が優越的な地位を利用して圧力をかけてくるという問題に対しては、もっと厳しく法整備をして取り締まってほしいですね。
今回のディーラーが新車を買い取るみたいな業界独自の風習も、昔からやっていて多かれ少なかれ皆やっているからOKではなく、どんどんと禁止にしていってほしいです。
いまある慣習とかは上位の立場にある会社が自分だけがやりやすいように強いてきた歴史の結果生まれたものにすぎないのですからね。
個人間のパラパラ問題はようやく社会課題として認知されてきましたが、企業間の力関係による押しつけも立派なパワハラです。
どうしても日本人はこうした悪習を変えることに及び腰なのですが、強者の利益のための理屈に立つのではなく、それぞれの立場は棚上げした上で、倫理の原則にしたがって考えてほしいですね。
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