法務省、離婚後の共同親権を提案へ 問題はDVや虐待傾向のある親をどう見極められるか。

離婚後の共同親権を提案へ 法務省、法制審部会に 8月にも試案

離婚後の子どもの親権の話ですね。
これまでは単独親権しか認められていなかったものを、共同親権も認められるようにしてはどうかとう話です。

これは恐らく国際結婚において離婚後の連れ去り問題が国際問題となってしまっていることと、あと日本の場合、離婚後の親権はほぼ母親が持つことが多いという事実に対する父親からの訴えが多いことが、こうした議論を喚起しているものと想像されます。

基本的に原理的には色々な選択肢が増えること自体は個人的には望ましいことだと思います。
ただこの問題が話を難しくさせているのは、往々にしてDVや虐待が絡んでいることが多いからなんですよね。

当然、DVや虐待歴がある人に親権を与えることはありえないです。
そもそもDVや虐待を受けてきた側としては、そんな人とは金輪際関わりたくもないという話ですからね。
離婚も関わりたくないという意思表示のもとにしているわけで、そうなってくるとそもそも共同親権というあり方が非常に難しくなってきます。

それでもこれをやるというなら、かなりしっかりと時間と人をかけて、対象の人物にDVや虐待歴があるか、もしくはその傾向があるのかを調査、監視する仲立ち機関が必要となってくるでしょう。
そしてクロもしくはグレーの場合は、この機関が毅然とした態度で拒否をしなければなりません。
当事者同士にそれをやらせると、DVの傾向が強い人は、せっかく逃れられた元妻や子を再び支配しようと企てる可能性が高いですからね。

ハッキリ言って、DVを平気でする人なんかは、嘘や誤魔化しが非常にうまい人たちです。中には自分がDVや虐待をしてきたという時間すらない人も多いでしょう。
目立った暴力さえ振るっていなければ、モラハラなどは配偶者としての当然の権利だと思っている人すらいますからね。

共同親権をやるなら、こういう人たちを相手にすることを想定した上で、それなりの覚悟と準備をした上で進めなくては行けませんね。
つまり性善説ではなく、性悪説をもとにやらなきゃいけません。

あと大事なのは、当の子供の気持ちです。
いくら親が主張したところで、暴力を振るったり、凄んできたりする親とは、子供は会いたくないでしょうからね。
とにかく子供の気持ちを第一に制度設計をしてほしいですね。