「課長島耕作」 著 弘兼憲史

「課長島耕作」  著 弘兼憲史 名前は当然知っていたけど、ちゃんと読んだことがなかった漫画でした。 30年前の作品ですが、ずっとシリーズが続いているだけあって読ませますね。 作品の節々に作者の弘兼さんがしっかりと様々なことを調べ上げてから描いているので、この時代の大企業のサラリーマンをリアリティーある描写でもって表現していると思います。 単純に漫画としての面白さとともに、その時代背景を後世から読み […]

「第五の季節」 著 N・K・ジェミシン

「第五の季節」 著 N・K・ジェミシン N・K・ジェミシンの三部作なる大作の一作目の作品です。 本作を含め、三部作すべてでヒューゴー賞を三年連続で受賞しているので、SF小説ファンとしてはかかせない作品ですね。 さて、本作についてなんですが、まず読んでみて気づくのが、世界観がほぼ作者の想像によって作られている、つまりフルスクラッチの世界観で作られているという点です。 気補填的にSF小説の多くは想像の […]

「コーダ あいのうた」

「コーダ あいのうた」 2021/アメリカ、フランス、カナダ アカデミー賞の作品賞を獲った作品ですが、納得の選出です。 まずテーマがいいです。 障害者ばかりの家族の中で、奮闘しなければいけない健常者に焦点が当てられているのですが、これ、ここに注目するのは非常に大事な話ですよね。 どうしても障害者の話になると、障害者そのものが主人公になりがちで、そうした物語ももちろん非常に意義深いのですが、当事者と […]

「秒速5センチメートル」

「秒速五センチメートル」 2007年/日本 「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」などでもはや多くの人にその名をとどろかせることになった新海誠監督の初期の代表作ですね。 実は個人的には、新海作品の中ではこの作品がダントツでいいと思っています。 「君の名は。」以降、川村元気さんが新海監督のプロデューサーとして参加してからは、良くも悪くも新海作品は万人受けする作品になっていったのですが、初期の […]

「五島崩れ」 著 森禮子

「五島崩れ」 著 森禮子 いわゆる隠れキリシタンの話ですが、かなり衝撃的な作品でした。 隠れキリシタンといえば、どうしてもまず天草四郎とか島原の乱をイメージしてしまいますが、この作品で語られているのはその時代の話ではありません。 幕末から明治初期の話です。 すでに文明開花の兆しがあった時代にそもそも隠れキリシタンがいたとか、彼らに対して壮絶な迫害があったとかそういった話自体がほとんど知らなかったの […]

サッカーW杯、アルゼンチン優勝・メッシ活躍で思い出すこと

いやあ、ワールドカップの決勝戦凄かったですね。 これほどドラマ染みた決勝戦は久々に見た気がします。 それにしても個人的に推していたアルゼンチンが優勝してうれしいです。 実は、昔からメッシのファンだったんですよね。 子どもが生まれる前は、サッカーの試合もよく観に行っていたので、メッシが日本に来た数少ない時に生観戦しました。 一度目は2010年にアルゼンチン代表として日本代表と親善試合をやったとき。 […]

「中国の大プロパガンダ 各国に親中派がはびこる“仕組み”とは?」 著 何清漣

「中国の大プロパガンダ 各国に親中派がはびこる“仕組み”とは?」  著 何清漣 中国のプロパガンダについて克明にレポートされている本です。 国内および国外に対してどのようなやり方でプロパガンダがなされていたったのか、また国外については香港、台湾、アメリカに対して特にどういったアプローチをしているのかが詳しく書かれています。 経済解放後特徴的なのは、その莫大な資金力を背景に既存の大手メディアを買収し […]

「ある行旅死亡人の物語」 著 武田惇志 伊藤亜衣

「ある行旅死亡人の物語」  著 武田惇志 伊藤亜衣 元々ネット記事だったルポが、書籍になってものです。 行旅死亡人とは、身元不明の遺体であり、官報に情報が乗っているんですよね。 記者が、その行旅死亡人で金庫に3400万円もの現金を遺した尼崎の女性を見つけ、その素性を折ってく形でルポが進んでいきます。 それにしてもこの亡くなった行旅死亡人「田中千津子さん」と見られる状況が謎めきすぎてすごい。 まず最 […]

「トキワ荘の時代」 著 梶井 純

「トキワ荘の時代」  著 梶井 純 手塚治虫にはじまり、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫など昭和の名だたる漫画家を輩出したトキワ荘のお話ですね。 その中で、手塚の次にトキワ荘に現れ、藤子不二雄らのよき兄貴分となった寺田ヒロオを中心とした話になっているんですけれども、これがすこぶる面白い。 寺田ヒロオといえば、映画「トキワ荘の青春」を思い出したのですが、実はこの本の内容がベースとなっているんです […]

「ディープフェイク ニセ情報の拡散者たち」 著 ニーナ・シック

「ディープフェイク ニセ情報の拡散者たち」  著 ニーナ・シック フェイクニュースがはびこるようになって久しいですが、本書はそのフェイクがいまやディープになり過ぎていて(ディープフェイク)、もはやどうしょうもないところまできていることを様々な事例をもって競輪を鳴らしています。 まず本書を読んで驚いたのは、ディープフェイクが発達したのは、やはりポルノからであり、ポルノ業界ではもはやディープフェイクが […]